2021年05月12日

B型肝炎原告団、協議要請 政府に早期解決呼びかけ


以下は、共同通信(2021年04月28日)からの引用です。

「注射器の使い回しによるB型肝炎訴訟で最高裁が、損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」の起算点を再発時とすべきだと判断し、再発患者2人が勝訴したことを受け、全国原告団・弁護団は27日、早期解決に向けた協議を求める要請書を厚生労働省と法務省に提出した。

B型肝炎の特別措置法は、除斥期間の経過の有無で給付額に大きな差がある。

要請書は、26日の最高裁判決を受け「国には除斥期間問題を早期に解決し、不合理な差別なき救済の実現に向けて真摯(しんし)に取り組む責任がある」と指摘した。

具体的には(1)再発患者2人への謝罪と正当な救済(2)同様の再発事案で係争している全国の原告の救済(3)除斥期間を理由に救済を阻まれている他の原告らの早期解決に向けた協議―の3点を求めた。

原告団の田中義信(たなか・よしのぶ)代表(62)は、要請書提出後の記者会見で「長く苦しんでいる方々を早期に助けていただきたい」と訴えた。

弁護団は、先行訴訟では政府側が被害回復に乗り出すのが遅かったと主張。

代表の佐藤哲之(さとう・てつゆき)弁護士は「前の轍(てつ)を踏まず、速やかに対応してほしい」と話した。

田村憲久厚労相は、要請前に開かれた閣議後記者会見で「判決内容を詳細に分析し、適切に対応したい」と述べた。」





「先行訴訟」「前の轍を踏まず」というのは、B型肝炎訴訟弁護団が、平成元年6月に札幌地方裁判所に国に対する責任追及の裁判(B型肝炎訴訟)を起こし、平成18年6月には、最高裁判所の判決が下され、国の責任が認められたにもかかわらず、国は、その後も、B型肝炎ウイルス患者の救済に乗り出さなかったため、弁護団は、平成20年12月には、札幌地方裁判所に再度B型肝炎訴訟を起こし、その後は、各地に弁護団が結成され、東京、大阪、福岡など全国の地方裁判所に次々と裁判が起こされ、平成23年6月になって、ようやく、国が損害賠償に応じるためのルールを定めた「基本合意」が成立したという、B型肝炎訴訟の歴史そのもののことです↓

弁護団以外の弁護士に依頼して、安易に除斥を前提とする和解をしてしまった方が、いなければ良いのですが。

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2021年05月10日

財産開示不出頭で刑事告発 弁護士に意図を聞いた


以下は、弁護士ドットコムタイムズ(2021年04月27日)からの引用です。

「高橋和央弁護士(札幌弁護士会)は4月12日、財産開示手続きで出頭するよう札幌地方裁判所から命じられたにもかかわらず、出頭に応じなかったとして、札幌市の男性を民事執行法違反の疑いで、札幌市の豊平警察署に刑事告発した。

刑事告発したのは、高橋弁護士と小野寺優剛弁護士、小川耕平弁護士(いずれも札幌弁護士会)の3人。

高橋弁護士は今回の刑事告発について、「財産開示手続きに応じないため、貸金を回収できずに泣き寝入りしている債権者は少なくない。不出頭者に対する告発の動きが広がり、罰を受けるケースが増えれば、出頭率も上がるのではないか」としている。

高橋弁護士によると男性は、2020年8月、知人女性から借りていた約210万円を返還するよう命じる判決を札幌地裁から受けた。

8月に判決は確定した。

同月に男性の預金口座が差し押さえられたが、残高が数万円しかなく、女性の代理人弁護士を務めていた高橋弁護士が同年10月、財産開示手続きを札幌地裁に申し立てた。

申し立てを受けた札幌地裁は、2021年1月に財産開示の期日を設け、男性に出頭するよう命じたが、男性は出頭しなかった。

高橋弁護士は、男性の財産開示手続きに対する不出頭は民事執行法に違反するとして、事件を担当し、財産開示の期日に出頭した小野寺弁護士、小川弁護士と連名で、今年4月12日に豊平警察署に刑事告発した。

男性は裁判期日の欠席も続けており、告発した理由について高橋弁護士は、「出頭できない理由があれば、男性は裁判所に連絡するべきだが、連絡していない。正当な理由がないのに出頭しなかったと判断し、告発した」とした。

告発状は受理されたという。

◎罰則強化も半数ほどが不出頭

財産開示手続きに対する正当な理由がない不出頭については、2020年4月に民事執行法の改正により、従来の「30万円以下の過料」から、「6カ月以下懲役」または「50万円以下の罰金」に、罰則が強化された。

一方、罰則を強化したあとも、財産開示手続きの不出頭のケースが相次いでいる。

札幌高等裁判所によると、北海道内では2020年4月から翌年3月までに134件の財産開示手続きに対する出頭命令が出されたが、実際に債務者が出頭に応じたのは半数ほどにとどまるという。

不出頭が相次ぐ背景について、高橋弁護士は「罰則が適用されないケースが多いため、不出頭が相次いでいるのだろう」と分析。

民事執行法の改正前も、過料の罰則が設けられていたが、「裁判所には調査権限がないため、不出頭の理由を把握できず、過料を科すことはほぼできなかったのではないか」と指摘している。

法改正による罰則強化はあったものの、「刑事罰が設けられたものの、不出頭の情報は警察や検察に自動的に入ってくるものではないので、債権者や弁護士などが告発しなければ事件として発覚しないだろう。警察や検察自らが捜査を開始する可能性は低いので、罰則強化の効果には疑問がある。結局は告発しなければ捜査が行われないのではないか」と見通す。

高橋弁護士は刑事告発について、「告発するケースが増え、不出頭は刑事罰の対象になるという認識が広まれば、出頭率も増えるのではないか」と期待する。また、一般の債権者が告発状を提出しようとしても、「前例が少ない」「証拠が足りない」などの理由で受理されにくい可能性を指摘し、「弁護士であれば、受理するよう警察を説得しやすいはず。弁護士は積極的に告発に関わって欲しい」と話す。」





札幌弁護士会の若手の先生方ですね。

確かに、弁護士であれば、回収できなかった判決の一つや二つはあります。

この刑事告発がどうなるのか、非常に興味がありますね。

posted by 森越 壮史郎 at 12:10| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月27日

B型肝炎、再発患者救済 最高裁、賠償請求権認める 発症20年超、原告逆転勝訴 「全体解決、国の責務」


以下は、共同通信(2021年04月27日)からの引用です。

「集団予防接種での注射器使い回しが原因のB型肝炎を20年以上前に発症し、再発した患者2人が国に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(三浦守(みうら・まもる)裁判長)は26日、賠償請求権が消滅する「除斥(じょせき)期間」(20年)の起算点は、発症時ではなく再発時とすべきだとした。

権利が消滅したとして原告敗訴だった二審福岡高裁判決を破棄し、損害額を算定するため審理を差し戻した。

患者の救済範囲拡大につながる判断。

4人の裁判官全員一致の意見。

三浦裁判長は補足意見で「迅速かつ全体的な解決を図るため、救済に当たる国の責務が適切に果たされることを期待する」と述べた。

全国B型肝炎訴訟弁護団によると、各地の訴訟で、除斥期間の起算点が争われている再発患者は他に111人おり、判決は今後の審理に影響を与えそうだ。

原告はいずれも慢性肝炎患者で、福岡市の平野裕之(ひらの・ひろゆき)さん(62)と福岡県の男性(68)。

平野さんは1987年に発症、2007年に再発した。

男性は91年に発症して04年に再発。

提訴はそれぞれ08年と12年だった。

判決は「どのような場合に再発するかは医学的に解明されておらず、最初の時点で後の発症による損害の賠償を求めるのは不可能だ」と指摘。

「最初の発症とは質的に異なる損害が生じた」として再発時を起算点とし、2人の提訴時には除斥期間が経過していなかったと結論付けた。

集団予防接種が原因のB型肝炎を巡っては、06年に最高裁が国の責任を認め、その後特別措置法が施行された。

慢性肝炎の場合、裁判を起こして和解すれば国から1250万円の給付金を受け取れる仕組みになっているが、除斥期間の経過後に提訴した場合は最大300万円にとどまる。

一審福岡地裁は17年、請求通り1250万円と弁護士費用を払うよう国に命じた。

国が控訴し、福岡高裁は最初の発症時を起点に20年の除斥期間が経過しているとして請求を棄却した。

※除斥期間

法律上の権利を使わないまま過ぎると、自動的に消滅する期間。

時効とは異なり、原則として中断や停止は認められない。

民法724条は、不法行為に対する損害賠償請求権の場合、行為から20年で消滅すると定めていたため、薬害や公害を巡る訴訟で争点になってきた。

2020年4月施行の改正民法で、20年は時効の期間だと明記された。改正前に20年が経過していた事案にはさかのぼって適用されないことになっている。

※B型肝炎訴訟

集団予防接種の注射器の使い回しでB型肝炎ウイルスに感染したとして、患者らが国に損害賠償を求めた訴訟。

2012年施行の特別措置法に基づき、患者は裁判手続きを経て、症状に応じて50万〜3600万円の給付金を国から受け取る。

救済の対象者は最大で約45万人に上ると見込まれており、法務省によると、21年1月末までに計約8万5千人が提訴し、うち約6万7千人が和解して特措法に基づく受給資格を得た。

政府は特措法の請求期限を27年まで延長する法案を今国会に提出している。」





この事件の続報ですね↓

早速、裁判所のホームページに掲載されていました↓

この記事の判決理由を読むと、まるで再発事案が全て救済されるかのように読めてしまいますし、実際にも、そうあるべきだとは思いますが、飽くまで、HBe抗原陽性慢性肝炎の発症、鎮静化の後に、HBe抗原陰性慢性肝炎を発症した事案に関する判断です。

いずれにしても、弁護団以外の弁護士に依頼して、安易に除斥を前提とする和解をしてしまった方が、いなければ良いのですが。

B型肝炎訴訟に関するお問い合わせは、こちら↓までお願いします。

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札幌市中央区南1条西12丁目4 酒井ビル3F
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posted by 森越 壮史郎 at 19:22| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする