以下は、弁護士ドットコムニュース(2023年08月08日)からの引用です。
「事務所の後輩からパワハラ被害を訴えられた裁判で虚偽の証拠を提出したとして、有印私文書偽造・同行使などの罪に問われた弁護士・古澤眞尋被告人=業務停止中=の論告求刑公判が8月7日、横浜地裁であり、結審した。
判決公判は9月15日。
検察側は「高い職業倫理が求められる弁護士による犯行で、刑事責任の重大性を認識させるべき」と述べて懲役3年6月を求刑、弁護側は「職業的ではなく自らが訴訟当事者としての違法行為で、強い非難には妥当しない」などと主張し、執行猶予付き判決を求めた。
午後4時の開廷に7分ほど遅れてきた古澤被告人は、最終陳述で深々と礼をした上で「もし許されるならば、一度だけ社会内で更生の機会を与えていただきたい。何卒、寛大な判決を」と求めた。
●検察側は「弁護士法1条」を引用
双方は偽証教唆の罪について成立時期を巡って一部争っているが、有印私文書偽造・同行使などの罪については古澤被告人はほぼ全面的に認めている。
論告で検察側は、弁護士法1条と弁護士職務基本規程を挙げ「司法に携わる弁護士自身による極めて悪質な犯行」と厳しく指弾。
20年もの経験があり、模範となるべきだったにもかかわらず「事実認定を誤らせようとしており、国家の審判作用を著しく害した」とした。
弁護士法1条1弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。2弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。
一方、弁護側は訴訟当事者として裁判を有利に進めるために、「場当たり的に上塗りした結果だ」と説明。
裁判自体は敗訴的和解に終わっており、功を奏していない上、判決に及ぼした影響は大きくないと主張した。
古澤被告人は、日弁連が2022年5月17日付で業務停止2年にする裁決をした約1週間後の5月25日に横浜地検に逮捕された。」
執行猶予が付けられるのは3年以下の懲役ですから、検察側の懲役3年6月という求刑は、「実刑が相当だ」という裁判所に対するメッセージだと思います。
ただ、「絶対実刑が相当だ」というのであれば、多少情状酌量しても3年以下の懲役にはならない懲役4年とか5年の求刑をすると思うので、それ程強いメッセージではないように思います。
弁護士としての欠格事由は「禁錮以上の刑に処せられた者」で、執行猶予付きの懲役刑では「処せられた」ことになりませんので、執行猶予付きの懲役刑を受けても、弁護士資格を失うことはないようですが、既に業務停止2年という社会的制裁を受けているのに、更に実刑判決で弁護士資格を失うのは、余りに重すぎるのではないかと思うのは、身びいき過ぎるでしょうか。
遅刻は非常に印象が悪いですが。
さて、どうなるのでしょうか。
と思ったら、執行猶予付の判決でも、「処せられた」ことになるので、弁護士資格を失うそうです↓
お詫びして訂正致します。