2022年02月10日

離婚後300日以内でも「再婚夫の子」に 法制審部会、改正案了承


以下は、毎日新聞(2022/2/1)からの引用です。
「法制審議会(法相の諮問機関)の部会は1日、子の父親を決める民法の「嫡出推定」の規定に、離婚後300日以内に生まれた子も、女性が再婚していれば再婚相手の子と推定するルールを加える改正要綱案を了承した。

離婚後に生まれた子の出生届を女性が出さず、子が「無戸籍者」になる問題の解消を図る。

近く法制審の総会で法相に答申され、政府は早期の国会提出を目指す。

民法は、婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定するとし、「婚姻から200日後」「離婚から300日以内」に生まれた子は婚姻中に妊娠したと推定すると定める。

女性が婚姻中に別の男性との子を妊娠すると、離婚から300日以内に生まれれば前夫の子と推定される。

このため、夫の暴力から逃れて別居中に別の男性との間に子が生まれた場合などに、女性が出生届の提出をためらい、子が無戸籍となる要因になっていた。

法務省が1月現在で把握している無戸籍者825人のうち、591人が嫡出推定を理由とするものだった。

要綱案は、妊娠から出産までに複数の婚姻をしている場合は「出生直近の婚姻の夫の子と推定する」とした。

これにより、離婚後300日以内に生まれた子も、再婚していれば再婚相手の子と推定される。

現在は、女性が仮に離婚直後に再婚すると、100日間、現夫と前夫の父親の推定が重なる。

このため女性のみに100日間の再婚禁止期間が設けられているが、改正で推定の重複が解消されるため廃止する。

「女性が婚姻前に妊娠し、婚姻成立後に生まれた子は夫の子と推定する」との規定も設ける。

妊娠が分かった後に結婚したような場合も夫の子と推定される。

現在は結婚200日以内に生まれた子は推定されないため、届け出で「嫡出子」(法律婚の夫婦の子)としていたが、制度で明確化する。

父子関係の推定を覆す「嫡出否認」の訴えも、夫(前夫)だけが子の出生を知ってから1年以内に起こせる決まりを見直し、子や母も起こせることにする。

親権者が子を懲らしめることを認める「懲戒権」は、虐待の口実に使われることがあるとの指摘を踏まえて削除する。

子の人格を尊重した親権行使を求める規定を設ける。」





法律改正に反対するつもりは全くありませんが、無戸籍者が生まれる主なケースは、夫の暴力から逃れて別居中だけれども、離婚が成立する前に、別の男性との間に子供が生まれるケースだと思うので、嫡出推定規定の改正が、どれだけ問題の解消に結び付くかは、何とも言えないような気がします。

子や母も嫡出否認の訴えを起こせるというのも、一歩前進ではあるのでしょうが、そもそも、出生届を出すのをためらうのは、出生届を出すと、夫との戸籍に、自分以外の男性との間に子供が生まれたことが記載されてしまい、夫に知れてしまうことを恐れてのことだと思うので、同じく何とも言えないような気がします。

posted by 森越 壮史郎 at 18:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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