以下は、共同通信(2021年12月08日)からの引用です。
「大阪地裁で判決が言い渡された民事訴訟を巡り、憲法が公開の法廷で行うと定めている口頭弁論を、非公開のまま結審したと書記官が調書に誤って記載し、訴訟手続きに重大な法令違反があったとして、大阪高裁が地裁判決を取り消し、審理を地裁に差し戻したことが7日、地裁への取材で分かった。
今年7月の高裁判決は、地裁での審理を「公開の法廷で行われたとは認められない」と指摘。
裁判の弁論や判決を原則として公開の法廷で行うよう定める憲法や関係法令に違反すると判断した。
問題になったのは、清掃会社の元役員が会社側に株主総会で可決された役員選任決議の無効確認を求めた訴訟2件。
判決などによると、両訴訟は昨年12月22日に法廷で弁論準備手続きを非公開で実施し、同日中に同じ法廷で公開の口頭弁論を開いて結審したが、担当の書記官は調書に弁論は非公開だったと誤記した。
地裁の西村欣也(にしむら・きんや)裁判長(当時)は誤記に気付かずに今年3月、訴えの一部を却下するなどの判決を言い渡し、元役員側、会社側の双方が控訴した。
誤記は控訴審が始まる前の地裁の内部チェックで発覚したが、西村裁判長ら担当裁判官が全員異動しており、調書はそのまま高裁に送られた。
地裁は双方の関係者に謝罪した。
地裁の中本敏嗣(なかもと・としつぐ)所長は「当事者に無用な負担を生じさせたのは誠に遺憾。職員に適切な事務処理について指導した」とコメントした。」
担当書記官の置き土産でしょうか。
でも、「公開の口頭弁論を開いて結審したが、担当の書記官は調書に弁論は非公開だったと誤記した」ということであれば、訴訟手続きに重大な法令違反があったとして、地裁に差し戻すほどのことなのですかね。