以下は、共同通信(2020年12月03日)からの引用です。
「新型コロナウイルス対策で個人事業主に支給された持続化給付金が差し押さえの対象になるかどうかが争われた民事裁判で、神戸地裁伊丹支部は3日までに、事業の継続を支えるのが目的だとして、差し押さえを認めない決定をした。
消費者金融に100万円を差し押さえられた兵庫県の女性が取り消しを求めていた。
11月19日付。
女性の代理人弁護士が明らかにした。
コロナ対策で一律10万円が支給される特別定額給付金には差し押さえを禁じる法律があるが、持続化給付金にはない。
野党が法案を提出し、国会で審議が続いており、司法判断が先行した形。
代理人の村岡友一(むらおか・ゆういち)弁護士は「同様の決定はほかに聞いたことがなく画期的だ」と評価する。
決定などによると、女性は個人事業主。
9月2日、国から口座に給付金100万円が振り込まれたが、地裁伊丹支部が前日に消費者金融の申し立てで口座の差し押さえ命令を出し、全額が差し押さえられた。
同支部の谷口真紀(たにぐち・まき)裁判官は今回の決定で「差し押さえを禁じる法律はないが、持続化給付金は事業の継続を支え、再起の糧にすることが目的で、個人事業者が確保できなければこの目的を実現することは困難だ」と判断した。
持続化給付金はコロナの影響で収入が半減した事業者を対象に、中小企業には最大200万円、個人事業主には最大100万円を支給する制度。」
特別定額給付金は、新型コロナの影響で困窮しているか否かにかかわらず、国民全員に一律10万円が支給される給付金なにの対して、持続化付金は、新型コロナの影響で、困窮している事業者に支給される給付金なのに、「特別定額給付金には差し押さえを禁じる法律があるが、持続化給付金にはない。」というのは、実に間抜けな話ですが、「野党が法案を提出し、国会で審議が続いている」ということは、現行法下では、差押禁止財産ではないというのが、形式的な結論なので、画期的な決定ですね。
預金債権自体は、差押禁止財産ではないのですが、その実質が持続化給付金であることを、尊重するという面でも。
消費者金融側は、不服申立するのでしょうか。
さて、どうなるのでしょうか。
このブログの筆者のホームページはこちら