以下は、共同通信(2019年12月6日)からの引用です。
「最高裁は6日、民事訴訟のIT化の一環として、裁判所と弁護士事務所などをインターネットでつないでやりとりする「ウェブ会議」を来年2月3日から全国8地裁と知財高裁(東京)で先行して導入すると発表した。
当事者や代理人弁護士らが裁判所に赴かなくても争点整理などを進められるようになり、裁判の迅速化や利便性の向上が期待される。
最高裁によると、8地裁は高裁のある札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡。
来年5月にはさいたま、千葉、横浜、京都、神戸の5地裁にも拡大の予定。
当事者双方の弁護士事務所が遠く、裁判所に赴く負担が大きいケースなどでの活用が想定される。」
続いて、以下は、同じく共同通信(2019年12月10日)からの引用です。
民事裁判オンライン化へ 国際化に対応、政府骨子案
「国際化に伴い増加する企業や個人の民事トラブルに対応するため、政府は9日、民事裁判の全面オンライン化や、消費者の海外取引トラブルに関し相談を受け付ける「越境消費者センター(CCJ)」の機能強化を目指す方針を盛り込んだ骨子案をまとめた。
骨子案は、民事司法制度改革を議論する内閣官房や法務省、外務省などの関係府省庁連絡会議が作成。
年度内に最終方針をまとめる。
日本の裁判は、オンラインによる書面提出などIT化が遅れ、結論が出るまでに時間がかかるため、外国企業は、日本での紛争解決を避け、海外の裁判所や仲裁機関に訴えることが多い。
骨子案では、司法分野で日本の国際競争力を高める改革の必要性があると強調。
法改正やシステム開発を進め、民事裁判の全面オンライン化を実現し、利便性を高めることを掲げた。
国際的なビジネス紛争の解決を図る態勢についても、一般社団法人「日本国際紛争解決センター」が来年3月に東京都港区に設置する専用施設を活用し強化する。
インターネット取引が当たり前になり、知らないうちに海外絡みのトラブルに発展するケースも増えており、CCJの人員を増やすなどして対応する。
また在留資格「特定技能」が今年4月に新設され、今後、在留外国人の増加が見込まれることから、関係機関と連携し、外国人が相談しやすい仕組みを整える。
民事裁判のIT化は、最高裁や法務省などでつくる研究会も報告書を年内にまとめ、森雅子法相が来年2月の法制審議会に民事訴訟法などの改正を諮問する方針。」
更に続いて、以下は、同じく共同通信(2019年12月16日)からの引用です。
民事裁判IT、原則義務化 研究会報告、迅速化も提言
「民事裁判のIT化実現に向け議論する法務省や最高裁などの研究会が13日、裁判所への訴訟の申し立てがオンラインでできる仕組みを段階的に導入し、最終的に原則義務化を目指す報告書をまとめた。
民事裁判の迅速化のため、審理を半年以内に終える特別な訴訟手続きの導入も検討するよう提言した。
政府は、民事裁判手続きの全面IT化を目指しており、来年2月、法制審議会に民事訴訟法の改正を諮問し、2022年中の改正を目指す。
報告書は法制審の参考資料となる。
オンラインでの申し立ては現行法でも、最高裁規則やシステム環境を整備すれば可能。
報告書では申し立てのほか、準備書面などの書類もオンライン提出できるようにし、その後、高齢者らITが苦手な人のサポート体制を整備した上で、原則義務化を目指すとした。
口頭弁論や証人尋問もウェブ会議で行えるよう法改正し、出頭しなくても裁判を開けるようにするべきだとも提言。
本人確認は、IDとパスワードの発行で対応するが、なりすましやシステムトラブルへの対応といった課題も挙げられた。
特別な訴訟手続きは、審理を短縮し、いつ終わるか予測できるようにして利用を促すために導入を検討する。
特に早期決着が必要な企業間紛争を念頭に置いている。
原告と被告はそれぞれ提出できる主張に関する書面を原則3通に制限。
オンラインでやりとりし、必要な証拠も厳選する。
特別な事情がない限り、第1回口頭弁論から半年以内に審理を終結、判決までも1年以内となる見通しという。
通常の民事裁判も当事者の同意などがあれば特別な手続きに移行できる。
裁判所が不相当と判断すれば、逆に通常の手続きに戻ることもある。」
この記事の続報ですが、いよいよ2か月を切りましたね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/469956884.html
弁護士会でも、様々な議論がなされたり、模擬ウェブ会議が行われたりしています。
Microsoft社のTeamsというのを使って、取り敢えず、今までは音声だけの電話会議だけだったのを、画像と音声でのウェブ会議を行うのだそうです。
それだけでなく、最終的には、訴状、答弁書その他の主張書面や証拠もTeams上にアップロードして、ウェブ会議上で閲覧したり加工したりするのだそうです。
そうなって来ると、Microsoft社には、情報が全部バレバレだと思いますし、情報流出の恐れがないとは言えないと思うのですが、大丈夫なのでしょうか。
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