以下は、共同通信(2019年10月24日)からの引用です。
「秋田大医学部付属病院(秋田市)で2016年に注射を受けた女性が、担当した研修医の不注意で後遺障害が残ったとして、大学側に約4826万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、秋田地裁は23日、約1321万円の賠償を命じた。
大学側は医療過誤や神経損傷について認めており、後遺障害の範囲や賠償額などが争点となっていた。
判決理由で綱島公彦(つなしま・きみひこ)裁判長は「3年近く経過している現時点で頑固な神経症状が残っている」と指摘、女性が主張した後遺障害の一部を認めた。
判決によると、女性は16年9月、みぞおちの痛みで病院に搬送。
研修医による注射を受けた際、女性は強い痛みを訴えたが研修医は中止せず、右腕の神経を損傷、女性は右手の関節を動かすと痛みや震えが出る後遺障害を負った。
秋田大医学部総務課は「判決文を精査した上で、今後の対応を検討したい」とコメントしている。」
先日、札幌医療事故問題研究会↓で、針刺し事案に関する研修がありました。
http://www.ijiken.org/
神経損傷が起きる確率は、万に一つ程度とのことでしたが、その割には、相談件数も、受任件数も、決して少なくないという印象がありますね。
何が何でも争ってくることが多い医療過誤事件の中で、針刺し事案だけは、本件のように、医療過誤や神経損傷を認めるケースが、比較的多いように思いますが、本格的に争われると、立証は容易ではありません。
とにかく、すぐに症状を訴えて、病院を受診して、証拠を残すことが大切です。