以下は、弁護士ドットコムニュース(2019年02月06日)からの引用です。
「埼玉や千葉県などの13弁護士会(単位会)は2月5日、司法試験合格者数のさらなる減員を求める共同声明を出し、法務省の法曹養成制度連絡協議会などに提出した。提出後に会見に臨んだ単位会の幹部からは「弁護士だけが続えている」などの指摘が出た。
●合格率上昇「弁護士の質が下がっている」の声も
共同声明の中では、現在の法曹養成数が「供給過多にある」との認識に立ち、民事訴訟事件の新受件数の減少(2003年352万件、2016年147万件)に触れたうえで、「新しい活動領域の拡充も、供給の増加を吸収する規模には至っていない」と指摘している。
2018年の司法試験合格者数は、18人減少したものの、受験者数に対する合格割合が25.86%から29.14%に上がっていることを指摘し、「質の確保よりも合格者の確保を優先したものではないかと危惧せざるを得ない」としている。「合格率が上がっていることから、弁護士の質が下がっているという強い推認が働くのではないか」(声明関係者)との見方もある。
声明では、供給過剰状態を解消するなどして、法曹の質を保持する必要性を指摘。政府が現状の司法試験合格者数ついて「1500人程度」としているのを踏まえて、「政府に対し、さらに司法試験合格者数を減員する方針を、速やかに採用することを強く求めるものである」としている。
●採用数「裁判官は減り、検察官も伸びてない」
声明提出後に会見に出席した埼玉弁護士会の島田浩孝会長は「(1500人という数字は)正確な法的需要にもとづいていない。弁護士供給過多が続いている」「(訴訟の新受件数が減る中)弁護士だけが増えている状況があると思う」との見解を示した。日弁連の菊池裕太郎会長が機関紙「自由と正義」の2019年の年頭所感で、目安としていた1500人がほぼ達成されたとの認識にたった上で、検証方法の検討に入る意向を示したことについては、期待も示した。
また、会見では裁判所や検察の採用動向への指摘もあった。島田弁護士は、裁判官について「2018年は65人で、従来(約10年前ごろ)の100人前後から減っている。検察官も決して伸びていない。弁護士だけが伸びる状況があり、放置できない」とした。千葉県弁護士会の及川智志前会長も「裁判所の人事は40年先を考えるときいた。(裁判所は)採用人数を減らしているのではないか」として、弁護士だけが需給関係を見越した対応ができていないことを問題視した。
適正な合格者数については、島田会長は「単位会ごとに1000人や700人という決議が出ていて、会ごとに微妙に違う。1500人より減らしてほしいという点で一致していると考えてもらえれば」とした。
声明に名前を連ねた13単位会は、埼玉、千葉県、栃木県、山梨県、長野県、兵庫県、富山県、山口県、大分県、仙台、山形県、秋田、札幌。
司法試験合格者数の減員を求める共同方針は、2016年12月にも出ている。当時は、17単位会の連名で、今回の13単位会に加え、群馬、三重、福島県、青森県が加わっていた。」
札幌弁護士会も今回の声明にも名を連ねているとのことなので、しばらく様子を見ていましたが、札幌弁護士会のホームページには、掲載されないようですね↓
https://satsuben.or.jp/info/statement/
千葉県弁護士会のホームページには、PDFファイルが掲載されていました↓
https://www.chiba-ben.or.jp/opinion/bf29bd5ebddf541a8b3e433da117c166567617f5.pdf
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