2018年09月20日

「捜査手続きに違法」覚醒剤使用、男性に逆転無罪 大阪高裁判決


以下は、産経ニュース(2018.8.31)からの引用です。

「覚せい剤取締法違反(使用)罪に問われた男性被告(49)の控訴審判決公判が30日、大阪高裁で開かれ、和田真裁判長は「捜査手続きに違法な行為があった」として、懲役2年10月とした1審大阪地裁判決を破棄、無罪を言い渡した。

男性は昨年6月、東大阪市内で覚醒剤の使用が疑われ、府警の警察官らが自宅まで同行。

尿検査で覚醒剤成分が検出されて逮捕された。

しかし、警察官は強制採尿令状の発付前に男性が住む建物に立ち入り、約1時間半にわたって部屋のドアを閉めさせず室内の様子をうかがっていた。

こうした行為を1審は「重大な違法はない」としたが、和田裁判長は「強制処分に当たる」と指摘し、尿の鑑定書は証拠として認められないと判断した。」





またしても、違法収集証拠排除による無罪ですね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/460932134.html

確か、過去の判例では、1時間半程度の足止めでは、違法ということにはならない、ということだったように思いますが、「約1時間半にわたって部屋のドアを閉めさせず」というのがポイントということになるのでしょうか。





と思ったら、以下は、毎日新聞(2018年8月30日)からの引用です。

大阪高裁 覚せい剤使用罪の男性に逆転無罪

「覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われた大阪市の無職男性(49)の控訴審判決で、大阪高裁は30日、懲役2年10月とした1審・大阪地裁判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。

和田真裁判長は、大阪府警の警察官が令状請求中、男性のマンションの部屋のドアを閉めさせなかったことについて「プライバシーを大きく侵害する違法行為」と指摘した。

判決などによると、男性は昨年6月、東大阪市内で職務質問を受けた際、任意での採尿を拒否し、大阪市内の自宅マンションに移動。

同行した警察官は強制採尿令状が出るまで約1時間半、マンションの廊下などにとどまり、部屋のドアを閉めさせなかった。

その後、令状に基づく採尿で覚醒剤反応が出たため男性は緊急逮捕、起訴された。

和田裁判長は「令状主義の精神を無視する重大な違法」として尿の鑑定書について証拠能力を認めなかった。

大阪高検の中沢康夫・公安部長は「判決内容を精査して適切に対応する」とコメントした。」





部屋のドアを閉めさせても、逃げられさえしなければ、強制採尿はできたでしょうし、そうすれば、有罪だったということでしょうか。

検察側は、上告するのでしょうか。

さて、どうなるのでしょうか。

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posted by 森越 壮史郎 at 18:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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