2018年09月18日

「嫡出否認」二審も合憲=女性側の控訴棄却−大阪高裁


以下は、時事ドットコムニュース(2018/08/30)からの引用です。

「生まれた子との父子関係を否定する「嫡出否認」を夫だけに認める民法の規定は男女平等を定めた憲法に違反するとして、兵庫県の60代女性と長女、孫2人が国に計220万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が30日、大阪高裁であった。

江口とし子裁判長は規定について「一応の合理性がある」として合憲と判断、請求を認めなかった一審神戸地裁を支持し、女性側の控訴を棄却した。

女性側は上告する方針。

一審判決などによると、女性は約30年前、元夫の暴力を理由に別居し、離婚前に別の男性との間に長女を出産した。

しかし、婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定する民法の規定のため、男性を父とする出生届は受理されなかった。

女性は元夫との接触を恐れ、嫡出否認の訴えを起こしてもらうことを断念。

長女とその子である女性の孫2人は2016年まで無戸籍だった。

裁判では「国会が規定を改正していれば、妻や子が訴えを起こすことで、無戸籍にならなかった」と主張していた。

一審判決は17年11月、夫だけに嫡出否認を認める規定は「子の利益の確保を強固なものとしており、合理性を肯定できる。憲法に違反しない」と判断した。」





続いて、以下は、東京新聞(2018年8月30日)からの引用です。

母の嫡出否認提訴 法務省が検討へ 無戸籍解消向け研究会

「女性が婚姻中に妊娠した子は夫の子と見なす民法の「嫡出推定」を見直すため、法務省が有識者らでつくる研究会を十月にも発足させることが二十九日、関係者への取材で分かった。

嫡出推定は、何らかの事情で夫(元夫)の子になるのを避けたい母親が出生届を提出せず、子が無戸籍者となる大きな要因と指摘されている。

嫡出推定を否認する訴えを、夫(元夫)だけでなく、母親や子も起こせるように拡大する方向で検討し、無戸籍者の解消を目指す。

無戸籍者は住民票を取得できないなど、日常生活で大きな不利益がある。

研究会の議論で法改正が必要と判断されれば、法相が法制審議会に諮問する。

民法は婚姻中に妊娠した子は夫の子、離婚後三百日以内に出産した子は元夫の子と推定すると規定。

女性が夫と別居中、または離婚直後に別の男性との間の子を産んだ場合、戸籍に夫(元夫)の子として記載される。

これを避けるには、嫡出否認の訴えを起こす必要があるが、現行法では夫(元夫)しか提訴できない。

接触を避けたい女性側が提訴を依頼するのは難しいことが多く、このため、女性が出生届を出さず、子が無戸籍になるケースがある。

法務省によると、八月十日時点の無戸籍者は七百十五人で、潜在的な人数はもっと多いとの指摘もある。


また、研究会では夫婦以外の第三者の卵子や精子を使った生殖補助医療(不妊治療)で生まれた子どもの法的な親子関係を定める議論も行う。

不妊治療をする夫婦も多い中、子どもの権利を守る観点から法整備が必要と判断した。」





無戸籍問題は何とかして解消できないものかとは思いますが、母親や子供も嫡出否認の訴えを起こせるようにしたとしても、夫を訴訟の当事者としないで、進めることができるのでしょうか。

そうでなければ、何の意味もないと思いますが、そんなことは可能なのでしょうか。

母親や子供が原告になるとしたら、誰が被告になるのでしょうか。

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posted by 森越 壮史郎 at 12:22| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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