以下は、毎日新聞(2018年6月17日)からの引用です。
「長崎県諫早市の男性(57)が不当に雇い止めされたとして長崎地裁に申し立てた労働審判で、裁判官などで構成する労働審判委員会が2月、会社に解決金を支払わせる一方で、解決内容を「口外しない」よう男性と会社に約束させる審判を出していたことが分かった。
口外禁止の条件を拒否していた男性は「会社の不当性が認められたのに口外できないのは、憲法の表現や良心の自由に反する」などとして、国家賠償を求め長崎地裁に近く提訴する。
男性の代理人によると、男性は審判が出る直前、同委から口外禁止を条件に話し合いによる解決(調停)を促されたが拒否していた。
調停の際に労使が合意して口外禁止条項が盛り込まれることはあるが、労働者が拒否したにもかかわらず、口外禁止が盛り込まれた労働審判が言い渡されるのは異例という。
男性は2016年4月から諫早市のバス会社営業所で有期雇用の運転手として働いていたが、会社に待遇改善などを訴える要望書を同僚とともに作成したところ、昨年3月で雇い止めになった。
男性は11月、社員としての地位確認や損害賠償など約270万円の支払いを求め労働審判を申し立てた。
代理人によると、今年1月の第1回審理で、労働審判官を務める武田瑞佳(みか)裁判官から「男性の言い分には理由があると思っている」と言われ、会社が解決金230万円を支払う調停を提案された。
その後、2月8日の2回目の審理で「会社は、内容が従業員に伝わるともめるので困ると考えている」として、口外禁止を調停の条件にすると伝えられた。
男性は「支援してくれた元同僚に報告したい」と条件を拒否。
武田裁判官から「口外禁止をそこまで重く考えないでほしい」「裁判に移行すると時間も労力もかかる」などと説得されても拒み続けた。
武田裁判官は口外禁止を盛り込み、会社に230万円を支払わせる労働審判を言い渡し、確定した。
代理人の中川拓弁護士は「労働者の主張がほぼ認められる形で労働審判が出たのに、それを従業員や社会に伝えることができなければ、会社による不当な行為を抑止できなくなる」と指摘。
長崎地裁は取材に「労働審判は非公開なので何も答えられない」と答えた。
当事者から異議の申立てがあれば、労働審判はその効力を失い、訴訟に移行することになっていますので、労働審判が確定したのは、会社側だけでなく、男性側も、異議を申し立てなかったからなのですが↓
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_minzi/minzi_02_03/
それでもって、国賠請求なのですか。
さて、どうなるのでしょうか。
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