2018年03月23日

東京高裁、不適切ツイートで岡口基一判事を厳重注意処分 “つぶやき”は続ける意向


以下は、産経ニュース(2018.3.19)からの引用です。

「東京都江戸川区で平成27年、高校3年だった岩瀬加奈さん=当時(17)=が殺害された事件に関し、東京高裁の岡口基一判事(52)がツイッターで配慮のない投稿をしたとして遺族が処分を求めていた問題で、高裁の林道晴長官は岡口判事を文書による厳重注意処分とした。処分は15日付。

処分理由は「裁判官として不適切で、裁判所に対する国民の信頼を損なったため」としている。岡口判事は「注意を受けたことを今後忘れないようにしたい」と話し、ツイッターは続ける意向を示したという。

岡口判事は上半身裸の男性の画像などをツイッターに投稿したとして、28年6月に高裁長官から口頭で厳重注意を受けている。

事件では、高裁が昨年12月、被告を無期懲役とした東京地裁判決を支持し、控訴を棄却。岡口判事はツイッターで「無惨にも殺されてしまった17歳の女性」などのコメントと2審判決を閲覧できる裁判所ウェブサイトのURLを投稿した。

性犯罪の判決文は裁判所の内規でサイトに掲載しないことになっていたが、誤掲載していたとして、高裁は2月13日付で、関係者3人を厳重注意や注意処分とした。

高裁の吉崎佳弥事務局長は「現職の裁判官が、裁判官として不適切な行為を再び行ったことで、裁判所に対する国民の信頼を損なったことは誠に遺憾である」としている。」




続いて、以下は、同じく、産経ニュース(2016.12.20)からの引用です。

【ニュースの深層】白ブリーフ姿に隠語投稿の東京高裁裁判官、厳重注意後も活発ツイート 表現の自由と品位の狭間が悩ましい問題に

「 「白ブリーフ判事が流行語大賞のノミネートにも入らなかった日本死ね!!!」(12月4日の投稿)。自身のツイッターに「縄で縛られた自分」とする半裸男性の画像などを投稿して裁判官の品位を傷つけたとして、今年6月に東京高裁から厳重注意を受けた東京高裁の岡口基一(きいち)裁判官(50)が、その後も活発にツイッターを続けている。「裁判官の良識が疑われる」と眉をひそめる裁判官は多いものの、裁判官にも一定の表現の自由は保障されており、強制的にやめさせられないのが実情だ。岡口裁判官の活動が社会に突きつけている問題とは…。

投稿数十件の日も

「新年の最初のツイートあたりで、白ブリーフ一丁画像でもアップするよ」

「今日は職場でセクハラ講習会があり、やってはいけないことがいくつも列挙されましたが、白ブリーフ一丁になることは含まれていませんでした」−。

いずれも岡口裁判官が12月中に投稿した内容だ。岡口裁判官はこれまで自身の下着姿の画像を数多く投稿、女性器の隠語を書いたことさえある。しかし、時事や法曹界の動きなどへのコメントなど“真面目”な投稿も多い。岡口裁判官は日々数件〜数十件の投稿を続けており、今年9月には「裁判員裁判って、国民を騙(だま)して導入したものだからね」などとする投稿もしている。

裁判所関係者によると、全国の裁判所は原則的に裁判官によるツイッターなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用を禁じておらず、「個人の良識に任せている」という。

その一方で、裁判所法は裁判官の業務内外での「積極的な政治活動」を禁じている上、「品位を落とす行動」は懲戒対象になるとも定めている。ただ、岡口裁判官は政治ニュースに個人の感想を述べることはあっても、特定の政治活動に携るような投稿はしていない。勤務中の投稿や、局部など極端にわいせつな写真の投稿などもない。もちろん、職務上で知った裁判内容の漏洩(ろうえい)などもしていない。

一定の制約受ける裁判官

裁判官は高度の中立性・独立性が求められるため、憲法で身分が手厚く保障されている。免職するには国会議員による弾劾裁判が開かれる必要がある上、戒告などの懲戒処分を下す場合であっても分限裁判を経る必要がある。6月の厳重注意は、懲戒処分ではなく、内規に基づいた指導に過ぎなかった。

ただ、裁判官の表現の自由は一定の制約を受けているのも事実だ。

平成10年、仙台地裁の男性裁判官(当時)が、組織犯罪対策関連法案をめぐる反対集会で、「パネリストとして参加するつもりだったが、地裁の所長から止められた」などと一般席から発言し、仙台高裁から戒告処分の決定を受けるという問題が起きた。

男性裁判官は処分の決定を不当として即時抗告したが、最高裁は「発言や反対集会への参加は積極的政治活動に当たり、処分は適切だった」として抗告を棄却。その上で、「裁判への国民の信頼を維持するため、裁判官の表現の自由は一定限度制約されるのはやむを得ない」との判断を示している。

“空気のおいしいところ”に異動も

裁判所と密接に関わる検察庁も同様に、検察官がSNS上で活動することを制限していないという。ただ、ある検察幹部は「うちの組織でああいう行動を続けていたら、“空気のおいしいところ”に行ってもらうことになるだけだ」と話し、同じ司法関連機関でも温度差があるようだ。

つまるところ、岡口裁判官の活動が社会に突きつけているのは、(1)「積極的な政治活動」や「品位」といった言葉の定義が曖昧であるのに、安易に指導や処分をしても良いのか(2)表現の自由の“とりで”ともいうべき裁判所が、裁判官個人の表現活動にどこまで制約を課すべきか(3)自身が属する組織の信用を傷つける恐れもある行動を、個人はどこまで許されるのか−などの問題だ。騒動で一躍有名人となった岡口裁判官は、そうした問題を考えるきっかけを社会に与えてくれているともいえそうだ。

【岡口基一裁判官の厳重注意問題】

東京高裁の岡口裁判官は平成26年4月〜今年3月、自身のツイッターに「エロエロツイート頑張るね。白ブリーフ一丁写真とかもアップしますね」「行きつけの飲み屋でSMバーの女王さまに縛ってもらった」などとする男性の半裸画像など3件を投稿。これを問題視した東京高裁は今年6月、口頭での厳重注意とした。岡口裁判官はツイッター上で「今後はこうしたことはしない」と謝罪したが、厳重注意の内容を報道機関に明らかにした高裁の対応を批判し、その後も従前同様の活動を続けている。岡口裁判官は東大卒。平成6年任官。」




この記事の続報ですね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/457198557.html

年度末は裁判官も異動の時期ですが、やはり、空気のおいしいところに行くことになるのでしょうか。

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posted by 森越 壮史郎 at 19:34| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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