以下は、朝日新聞デジタル(2017年10月11日)からの引用です。
「東京弁護士会は11日、「アディーレ法律事務所」(本店・東京)がホームページで、実際には着手金を継続して値引きしていたのに期間限定とうたっていたのは景品表示法違反(有利誤認表示)にあたるなどとして、同事務所を業務停止2カ月、元代表社員の石丸幸人弁護士を同3カ月の懲戒処分にしたと発表した。
同事務所は180人以上の弁護士が所属しているが、11日から本店と全国85の支店で法人としての業務ができなくなった。
同事務所は「依頼者の皆さまに多大な迷惑をかけ、深くおわびする。業務停止処分を受けたことは厳粛に受け止める」とのコメントを発表。
事実に争いはないが「業務停止処分を受けることは、行為と処分の均衡を欠く」として、日本弁護士連合会に審査請求と効力停止を申し立てる方針。
弁護士会によると、同事務所は石丸弁護士の指示を受けて2010年10月〜15年8月、自社サイトに「約1カ月ごとの期間限定」として、過払い金返還請求の着手金を無料または値引きする▽契約から90日以内に契約解除をした場合、着手金全額を返還する――などとする広告を載せたが、実際にはキャンペーンを継続して行っていた。
この問題を巡っては、消費者庁が16年2月に同事務所に措置命令を出している。
東京弁護士会は平日の午前9時〜午後5時に同事務所の依頼者から相談を受ける臨時電話相談窓口(03・6257・1007)を設置した。
東京弁護士会の渕上玲子会長は「消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害する恐れのある極めて悪質な行為。長期間にわたって多数回、継続されている組織的な非行と言わざるをえない」との談話を出した。」
この事件の続報ですね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/449094088.html
東京弁護士会の会長談話は↓
https://www.toben.or.jp/message/seimei/post-481.html
公表文は↓
https://www.toben.or.jp/message/pdf/171011adire.pdf
業務停止とはちょっと驚きましたが、聞いた話によると、東京弁護士会は、消費者庁が措置命令を出すまで、何もしないで放置しておいて、それでいきなり今回の業務停止処分、ということではないようです。
業務停止処分を受けたのは、法人としてのアディーレ法律事務所と、元代表の石丸弁護士だけなので、アディーレ法律事務所に所属する他の弁護士個人と委任契約をしていれば、個人としての弁護士が、引き続き業務を行うことはできるのではないでしょうか。
勿論、顧客の方から、契約を解除するということは、あり得る話ですが。
民法561条1項は、 「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。」と定めており、同条2項は、「当事者の一方が相手方に不利な時期に委任の解除をしたときは、その当事者の一方は、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。」と定めています。
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