2017年06月13日

縁を切って楽になりたい 「死後離婚」10年で1.5倍


以下は、朝日新聞デジタル(2017年6月5日)からの引用です。

「配偶者が亡くなった後、配偶者の血族である「姻族」との関係を断ち切る、「死後離婚」が増えている。

女性からの届け出が多いようだ。

核家族化で負担が重くなりがちな、義父母の介護や墓の管理への不安が背景にあるとみられる。

結婚してできた配偶者の血族との姻族関係は、離婚をすれば自動的に終わる。

しかし夫か妻の一方が亡くなった場合、関係を終了するには役所へ「姻族関係終了届」を出す必要がある。

これが「死後離婚」とよばれる。

法務省によると、2015年度の届け出数は2783件。

06年度からの10年で1・5倍に増えた。

戸籍には、姻族関係終了の届け出日が記載され、受理した役所が受理証明書を発行してくれる。

夫婦問題の相談に応じる「HaRuカウンセリングオフィス」(東京都港区)の高草木(たかくさぎ)陽光(はるみ)さんによると、死後離婚の相談は昨年になって急増し、30件ほど寄せられた。

義父母の介護や夫のきょうだいとの関係で悩む女性が大半という。

三重県の会社員女性(43)は、夫の病死から3年となった5月、姻族関係終了届を出した。

きっかけは義父の死だ。

義父母は夫が子どもの時に離婚し、夫は義母に育てられ、義父とは疎遠だった。

昨年末に義父が亡くなると、一人っ子だった夫宛てに、警察から身元確認の問い合わせがきた。

亡き夫に代わり、女性が相続放棄などの手続きをした。

姻族に対して、重い責任を背負わされた気がした。

近所に暮らす義母とはいまも良い関係で、買い物や病院の送り迎えを手伝う。

2人の娘にとっては「大好きなおばあちゃん」だ。

関係を変えるつもりはなく、届け出をしたと伝えるつもりもない。

ただ、子育てや自身の両親の介護など、夫の死後に一気に重荷が増えた気がした。

「縁を切るつもりはないけれど、せめて精神的な負担だけは軽くしておきたい」と話す。

大阪市北区の「司法書士事務所ともえみ」の山口良里子(よりこ)・代表司法書士は、義理の姉との関係に悩む関西地方の60代の女性に、終了届の提案をした。

夫の死後、夫の両親の墓や、空き家である実家の管理に悩んでいた。

遠方のため管理が難しく、義姉に墓じまいと実家の片付けを相談した。

だが「ひどいことをするわね」と批判されるだけだった。

結局、1年かけて1人で実家を片付け、墓も自宅近くに移した。

女性は「義姉と縁を切りたい」と思い詰めていた。

山口さんは「『嫁の責任』を全うしようとまじめに考える人ほど、姻族との関係に悩んでしまう」と話す。

■「夫 死後 籍を抜く」で検索

4月末、大阪市で「死後離婚セミナー」があり、男女4人が集まった。

企画した夫婦問題カウンセラーの高原彩規子(さきこ)さん(59)も、死後離婚の経験者だ。

浮気を繰り返す夫と、離婚を話し合ったこともあった。

しかし2011年、がんの再発から約1年で死去。

入院生活の末にみとり、「夫婦に戻れた」と感じたこともあったという。

だがその半年後、入院中の荷物を入れたスーツケースを開けた瞬間、「この人の妻として残りの人生を生きたくない」と思った。

浮気相手と撮った2ショット写真が内ポケットに挟まっていた。

残された家族が遺品を見てどう思うか想像できなかったのか――。

「夫 死後 籍を抜く」。

インターネットで検索し、姻族関係終了届と、さらに夫の籍から抜けて旧姓に戻す復氏届の存在を知った。

娘に相談し、悩んだ末に実行した。

昨年から、その経験を語るセミナーを大阪市内などで開く。

自分の決断に悔いはないが、「決してお勧めするものではない」という。

子どもともよく相談するようアドバイスする。

妻にとっては姻族でも、子どもにとって義父母らは血族で、その関係は変わらないからだ。

「生きている間に、夫や夫のきょうだいと、義父母の介護をどうするかなどを話し合ってほしい。『死後離婚すればよい』と問題を先送りするのはよくない」と話す。

《姻族》

配偶者の血族や、自分の血族の配偶者のこと。

姻族関係は一般的に、結婚によって発生し、離婚によって終わる。

民法は、配偶者のおじやおばなど3親等内の姻族を「親族」と定める。

そのうえで、家庭裁判所が特別な事情があると認めた場合、3親等内の親族に扶養義務を負わせることができるとしている。」




以前、どこかで同じような記事を見て、ブログで紹介したような気がしていましたが、気のせいだったようです。

女性からの届け出が多いのは、女性の方が長生きだからでしょうか。

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posted by 森越 壮史郎 at 12:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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