以下は、毎日新聞(2017年5月25日)からの引用です。
「争点「40センチで骨折」ペットサロン45万円支払いで和解
トイプードルが骨折したのはペットサロンの不注意が原因だとして、飼い主の女性がサロンの運営会社(大阪市)に約100万円の賠償を求めた訴訟が大阪地裁であり、会社側が45万円を支払うことで和解した。
見た目が可愛く、室内犬では一番人気だが、高さ40センチの台から飛び降りただけで骨折していた。
獣医師は「トイプードルの骨は割り箸のように細い」と注意して飼育するよう呼びかけている。
和解は先月28日付。
訴訟記録などによると、女性は2014年5月、大阪市内のペットサロンにトイプードルを預けた。
1歳のオスで体重約2.2キロ。
従業員がトリミングを終え、撮影用の台に載せた時、店の電話が鳴った。
従業員が目を離したすきに台から飛び降り、左前脚を骨折。
動物病院に2週間入院し、女性は翌年2月、治療費や慰謝料などを求めて提訴した。
裁判では、40センチの高さで骨折するかどうかが争点に。
女性側は「脚の骨が細く、30センチから飛び降りても骨折することがある」と主張。
一方、会社側は「日常生活で使うソファと同じぐらいの高さで、以前の骨折の影響だ」と反論していた。
双方の代理人によると、訴訟が長期化したため和解に応じた。
女性は取材に、「犬は家族の一員。当時は死ぬんじゃないかと不安だった」と話す。
犬の血統証明書を発行する一般社団法人「ジャパンケネルクラブ」によると、犬種別登録数は2000年、ダックスフントが1位で、プードルは13位(約1万3000匹)だったが、徐々に人気が逆転。
08年以降はプードルが首位を守り、16年は約7万7000匹に。
2位はチワワ、3位はダックスフントで、人気は小型犬だ。
プードルは、大きい順にスタンダード、ミディアム、ミニチュア、トイの4種類ある。
トイの中でも、体重2〜3キロは「タイニー」、2キロ未満は「ティーカップ」と通称され、文字通りティーカップに入るほどの小ささで人気だ。
テレビやインターネットの影響で愛好者が増え、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で写真を共有したり、愛犬と行く旅行ツアーが組まれたりしている。
ただ、小型化すればするほど骨折の危険も。
ノヤ動物病院(埼玉県)の野矢雅彦院長は「体重1キロのプードルは骨の厚さが2ミリ、2〜3キロでも3ミリしかない。
1歳未満だと跳びはねるだけで折れることもある」と話す。
東京都の元ブリーダーの男性(51)は「元々、プードルは狩猟犬で簡単には骨折しなかったが、小型化のため小さな個体を交配させるうちに弱くなった。ケガや病気になりやすいというリスクを理解した上で飼ってほしい」と警鐘を鳴らす。」
ペットと損害賠償に関する過去のブログ記事は↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/377323516.html
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/439351275.html
和解ですから、45万円の内訳はわかりませんが、金額からすると、治療費だけではないように思います。
人間の場合ですら、被害者である本人が、生命を害されたか、それに比肩すべき精神上の苦痛を受けた場合にのみ、近親者の慰謝料請求が認められるとする最高裁昭和33年8月5日判決↓との整合性は、どうなのでしょうか。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52849
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