2017年05月19日

無線LAN無断使用「違法です」 無罪判決で総務省見解


以下は、朝日新聞デジタル(2017年5月12日)からの引用です。

「隣人の無線LANのパスワードを解読して使ったことが電波法違反にあたるかが争われ、東京地裁が4月に無罪判決を出したことに絡み、総務省は12日、「同様の事例は電波法違反にあたる」との見解を示した。

パスワードの解読のために通信を傍受して悪用することが、電波法が禁じる「無線通信の秘密の窃用(盗んで使うこと)」にあたるという。

裁判では、パスワードそのものが通信の秘密にあたるかどうかが争われた。

判決は、パスワードは通信されていないため通信の秘密にあたらないと判断され、電波法上は無罪とした。

総務省によると、今回解読されたのは「WEP」という古い方式の暗号で、解読する機器が出回っているという。

利用者のパソコンなどが無線LAN機器に送っている通信を傍受し、それを複製して無線LAN機器に送ることでデータを入手、これを分析してパスワードを解読する仕組みだ。

この行為は電波法109条第1項に違反し、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるという。

総務省電波政策課は「被害を防ぐには最新の無線LAN機器に買い替えてほしい」としている。」




以下は、同じく、朝日新聞デジタル(2017年5月10日)からの引用です。

「パスワード解読は無罪」判決確定 無線LAN無断使用

「隣人の無線LANに無断接続して送ったフィッシングメールで、他人の預貯金口座から現金を不正送金したとされる事件で、東京地裁が電波法違反(無線通信の秘密盗用)罪について被告の男を無罪とした判決に対し、東京地検が控訴を見送ることがわかった。

無線LANのパスワードの無断使用が同法違反に当たるかが初めて争われた裁判だったが、無罪判決が確定する。

地裁は4月27日、無職の藤田浩史被告(31)が不正送金した行為は有罪として懲役8年を言い渡す一方、隣家の無線LANを無断で使うために、パスワードを解読した行為は無罪とした。

電波法はメールなど無線通信の秘密を盗むことを禁じているが、判決は、パスワードは、通信内容を知るための手段に過ぎないと結論付けていた。

一方、被告側は10日、一審判決の有罪部分を不服として、東京高裁に控訴した。」




以下は、同じく、朝日新聞デジタル(2017年4月27日)からの引用です。

無線LANのPW解読、電波法違反にあたらず 東京地裁

「隣人の無線LANを無断で使用し、不正入手した暗証番号で他人の口座から自らの口座に不正送金させたとして、電波法違反(無線通信の秘密盗用)や電子計算機使用詐欺などの罪に問われた無職藤田浩史被告(31)=松山市=の判決が27日、東京地裁であった。

無線LANのパスワード解読が電波法違反にあたるかが初めて争われたが、島田一裁判長は「パスワードは通信の秘密には当たらない」として無罪とした。

一方、不正送金については「犯行は巧妙で悪質。反省の態度も見られない」と述べ、懲役8年(求刑懲役12年)を言い渡した。

判決によると、藤田被告は2014年、隣家の無線LANに接続。

フィッシングメールを送って茨城県の会社など4社から銀行の暗証番号をだまし取り、三つの銀行から計約520万円を自分の口座に不正送金させるなどした。

東京地検の山上秀明次席検事は「判決内容を十分検討して適切に対応したい」とコメントした。」





良く分かりませんが、裁判所が、「隣家の無線LANを無断で使うために、パスワードを解読した行為は無罪とした。」のに、総務省が、「この行為は電波法109条第1項に違反し、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる。」と言っているということでしょうか。

電波法↓109条1項は、「無線局の取扱中に係る無線通信の秘密を漏らし、又は窃用した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定めています。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO131.html

パスワードを解読した行為が、「無線局の取扱中に係る無線通信の秘密を盗用した」ことに該当するか否かの問題ですが、「無線局の取扱中に係る」ことが必要なのではないでしょうか。

三権分立って、いったいどうなっているのでしょうか。

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posted by 森越 壮史郎 at 12:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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