以下は、神戸新聞NEXT(2017/3/28)からの引用です。
「兵庫県弁護士会所属の堀江幸弘弁護士(37)が、民事訴訟の判決文を2通偽造し、依頼者に送っていたことが28日、分かった。
提訴の手続きを怠ったのがばれないよう偽造したとみられ、同会は同日、綱紀委員会に調査を求めた。
堀江弁護士は2012年11月に同会に登録。
今年3月20日まで同県加西市の法律事務所で、「大槻」との姓で活動していた。
現在は神戸市中央区に個人事務所を置き、「堀江」に改姓している。
同会によると、堀江弁護士は13年7月ごろ、土地所有権の名義変更を求める訴訟を依頼されたが、提訴手続きを放置。
依頼者に判決文を提示するため、パソコンで偽造し、今年3月10日ごろ、依頼者らにファクスで送信したという。
偽造された判決文は2通あり、それぞれ神戸地裁社支部と大阪高裁の実在する裁判官名が記載されていたが、書記官名や印鑑はなかった。
依頼者は3月中旬、同支部で訴訟が起こされず、判決文も存在しないことを確認。
堀江弁護士も23日、同会の米田耕士会長(60)に報告し、問題が発覚した。
同会によると、「なかなか手が付けられず、(依頼者に)虚偽の説明を繰り返すうちに偽造してしまった」と説明し、神戸地検に判決文を偽造したことを申し出たと話しているという。
米田会長らは28日に会見し、「司法の根幹を揺るがす重大な事態で、深くおわびする」と謝罪。
堀江弁護士は依頼者から着手金を受け取っていたが、同会は「返還したかどうかは答えられない」としている。」
うーん。
判決文を偽造するよりも、提訴する方が、よっぽど簡単だと思いますし、土地の名義変更をしようとしてもできないので、偽造文書であることが発覚することは、火を見るより明らかですし、そうなれば、懲戒どころか、公文書偽造等で刑事事件となることは、弁護士なのだから、わかり切っていることなのですが、それでも、この手の不祥事は、繰り返し起こっています。
偽造する時点では、正常な判断ができない状態に陥ってしまっているので、どうしようもないのだと思いますが、その前段階として、完璧を求め過ぎず、取り敢えずさっさと提訴する、提訴していないのなら、提訴していないと正直に明かし、丁重に詫びるという、当たり前のことを、当たり前にできるかどうかでしょうね。
仮に、消滅時効期間が経過してしまったとしても、丁重に詫びて、弁護士賠償責任保険で対応すれば、大事にはならないのではないでしょうか。
私を含めて、弁護士というのは、完璧主義者で、頭を下げるのが嫌いな人が、多いとは思いますが、時と場合によると、肝に銘じるべきでしょうね。
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