2017年02月10日

札幌の女性刺殺、賠償の時効中断求め遺族ら提訴


以下は、産経ニュース(2017.2.7)からの引用です。

札幌市で平成2年に信金職員、生井宙恵さん=当時(24)=が刺殺された事件で、殺人容疑で指名手配されたまま公訴時効が成立した男性(48)=所在不明=に対し、民事訴訟で約7500万円の賠償を命じた確定判決の時効が来年4月に迫ったとして、遺族らが7日、時効の中断を求めて札幌地裁に提訴した。

原告の代理人弁護士によると、判決は20年4月に確定したが、男性の所在は分からず、賠償金は支払われていない。

民法の規定で、確定から10年で時効となるため、請求権を確認する裁判を起こさざるをえなくなった。

ただ裁判費用がかさみ、請求する賠償額は半分ほどにしたという。

生井さんの母親の澄子さん(80)は「賠償額が一部のみになり、本当に悔しい。被害者を救済する制度を早急に作ってほしい」とコメントした。」




裁判費用というのは、訴状に貼付する印紙代等のことでしょうか。

印紙代は、訴額が7500万円だと24万5000円、約半分の3800万円だと13万4000円、その差は11万1000円↓
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/315004.pdf

資力が乏しいのであれば、訴訟救助を利用することよって、送達費用はともかく、印紙代については、全額、猶予を受けることもできます↓
http://www.courts.go.jp/saiban/qa_minzi/qa_minzi_17/index.html

しかも、被告は所在不明なのですから、結局、公示送達で、全面勝訴の欠席判決となり、「訴訟費用は被告の負担とする。」ということになるので、印紙代は、遺族の負担とはならないのではないでしょうか。

ちなみに、少なくとも今日では、犯罪被害給付制度があります↓
https://www.npa.go.jp/higaisya/shien/kyufu/seido.htm

法テラスも、様々な犯罪被害者支援を行っています↓
http://www.houterasu.or.jp/higaishashien/

他にも、様々な取り組みが、行われているようです↓
http://nnvs.org/higai/structure/

これで充分というつもりはありませんが、様々な人々の活動により、現に行われている様々な制度が、まるで何もないかのような報道は、どうかと思います。

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posted by 森越 壮史郎 at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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