2016年11月11日

B型肝炎訴訟 「除斥期間」適用初判断へ 福岡地裁


以下は、毎日新聞(2016年11月6日)からの引用です。

「集団予防接種が原因のウイルス感染を巡って国の責任が問われたB型肝炎訴訟で、福岡地裁(片山昭人裁判長)が、20年以上前に発症した慢性肝炎が一時治まった後に再発した原告2人について、賠償請求権が消滅する民法の「除斥期間」(20年)を適用するかどうか判断する見通しとなった。原告弁護団への取材で分かった。地裁は今月28日に2人の本人尋問を実施し、早ければ年度内にも判決を言い渡す見通しだ。

弁護団によると、B型肝炎訴訟で同様の原告に対する除斥期間適用の是非を判断するのは初めて。原告2人は除斥期間の起算点を発症時から再発時に繰り下げ、慢性肝炎患者への給付金1250万円を支払うよう求めて提訴。国側は除斥期間が経過した患者への和解金300万円を提示していた。全国17地裁に係属中のB型肝炎訴訟には同様の原告が100人以上いるとみられ、福岡地裁で除斥期間を適用しない判断が出れば救済につながる可能性がある。

原告2人はいずれも福岡県に住む50代と60代の男性。50代男性は1988年、60代男性は91年に慢性肝炎と診断されてインターフェロン治療などを受け、それぞれ一時的に症状が治まったが、2004〜07年に再発した。

全国B型肝炎訴訟原告団と国は11年6月、国が一律の給付金を払って和解することで基本合意し、12年1月に被害者救済の枠組みを定めた特別措置法が施行された。除斥期間の起算点は、病気に潜伏期間があるため慢性肝炎の発症時とすることで一致。病態が肝硬変や肝がんに悪化すれば、その時点を起算点とすることも決めた。

15年に交わした補充合意書では、肝がんの再発患者に対しては再発時を起算点に救済することを決めたが、慢性肝炎患者については再発時の規定がなく、発症が20年以上前なら除斥期間が経過した患者への和解金(治療中300万円、治癒状態150万円)を受け取るしかなかった。

原告側は「慢性肝炎の再発はウイルスの変異で症状が悪化するケースが多い。除斥期間の起算点を例外的に繰り下げる条件である『損害に質的な変化があった』と言える」と主張。国側は「当初の症状と比べ質的に大きく変化したとは言えず、起算点を繰り下げる例外条件には該当しない」と反論している。

原告のうち60代男性は「症状が悪化して仕事を辞め、家族に負担を掛けてきた。苦しんだ時間が長いほど救われないのは理不尽だ」と訴える。弁護団長の小宮和彦弁護士は「勝訴の先例を作り、除斥期間が壁となっている同様の患者の救済につなげたい」と話している。

【ことば】B型肝炎訴訟

集団予防接種での注射器使い回しでB型肝炎に感染した患者が、国に損害賠償を求めた集団訴訟。最高裁が2006年、国の責任を認めたことで提訴が相次いだ。12年1月、国が病態に応じた給付金を支払うことを定めた特別措置法が施行。1948〜88年の予防接種で感染した人や母子感染した子が救済対象になった。裁判で国と和解する必要があり、厚生労働省によると今年8月末現在で約2万2600人が和解した。」




全国B型肝炎訴訟九州弁護団の事件ですね。

弁護団以外の弁護士に依頼して、安易に除斥を前提とする和解をする方が、いなければ良いのですが。

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posted by 森越 壮史郎 at 12:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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