以下は、毎日新聞(2016年10月27日)からの引用です。
「福岡県弁護士会に所属していた高橋浩文・元弁護士(56)=詐欺罪などで懲役14年が確定、服役中=に裁判費用などの名目で多額の現金をだまし取られたのは、弁護士会が指導監督を怠ったためだとして、県内企業2社と男性1人が県弁護士会を相手取り総額約2億3000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、福岡地裁であった。
倉沢守春裁判長は「弁護士会の指導監督が必要といえる具体的事情はなかった」として請求を棄却した。
倉沢裁判長は「弁護士の職務の独立性や守秘義務などがあり、弁護士会が指導監督できるのは明らかに違法な弁護活動などの場合に限られる」と指摘。
その上で「預かり金が返還されないなど高橋元弁護士への苦情は弁護士会に多数寄せられていたが、当時の状況では預かり金の流用や詐欺を疑うことはできなかった」と述べた。
今回の事件を受けて福岡県弁護士会は会員弁護士に対し、預かり金の専用口座の届け出を義務づけた。
法曹倫理に詳しい早稲田大大学院の石田京子准教授は「『弁護士自治』を掲げる以上、金銭の処理に問題ありと認められる場合には、積極的に口座開示を求めるなど、さらに内部規律を強めて再発防止に取り組むべきだ」と話している。」
「預かり金が返還されないなど高橋元弁護士への苦情は弁護士会に多数寄せられていた」のに、「当時の状況では預かり金の流用や詐欺を疑うことはできなかった」ですか。
札幌弁護士会では、相当前から、預り口口座の開設が義務付けられていたと思いますし、しかも、苦情も何もなくても、定期的に、預り口口座の通帳の写しの提出を求められますが。
それにしも、最近は、ヤフーのトップページに、見出しが出ることが少なくなったような気がしますが、弁護士の不祥事が、沈静化した訳ではなく、単に、珍しくも何でもなくなったということではないかと思います。
私も、余りに多くて、いちいち、ブログで取り上げる気にならなくなりました。
さて、どうなるのでしょうか。
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