2016年09月14日

ワンセグ携帯にも「NHK受信契約の義務」 高市総務相


以下は、朝日新聞デジタル(2016年9月2日)からの引用です。

「さいたま地裁が8月、ワンセグ放送を受信できる携帯電話を持っているだけではNHKの受信料を支払う「義務はない」と判断したことについて、高市早苗総務相は2日の閣議後記者会見で「携帯受信機も受信契約締結義務の対象と考えている」と述べた。

裁判では、ワンセグ機能つき携帯電話の所有者が、放送法64条1項で受信契約の義務があると定められている「放送を受信できる受信設備を設置した者」にあたるかが争われた。

高市氏は「NHKは『受信設備を設置する』ということの意味を『使用できる状況に置くこと』と規定しており、総務省もそれを認可している」と説明した。

NHK広報部は2日、朝日新聞の取材に「現在、控訴の手続きを進めている」とした。

高市氏は「訴訟の推移をしっかりと見守っていく」と述べた。」




三権分立とは、一体、何なのでしょうか。

司法権の独立とは、一体、何なのでしょうか。

司法権が弱体化して、喜ぶのは誰でしょうか。

割を食うのは、誰でしょうか。




と思ったら、以下は、同じく、朝日新聞デジタル(2016年9月7日)からの引用です。

ワンセグ受信料、総務省がNHK聴取へ 見直し要求か

「「総務省は6日、NHKがワンセグ放送を受信できる携帯を持っていることを理由に受信契約を結んでいる実情について、近くNHKから事情を聴く方針を固めた。

さいたま地裁はワンセグ携帯を持っているだけでは受信料を支払う「義務はない」と判断しており、NHKに契約手法の見直しを求める可能性もある。

裁判では、家にテレビがない場合でも、ワンセグ携帯などの携帯型受信機を持っているだけでNHKと受信契約を結ぶ義務があるかどうかが争われた。

NHKは契約義務があるという立場で、高市早苗総務相も2日、「従来、携帯受信機も受信契約締結義務の対象と考えている」と述べた。

ただ、ワンセグは通常のデジタル放送で使う周波数帯幅の12分の1しか使わず、画質が劣り、受信できる範囲も限られる。

総務省内には「ワンセグが受信できるからといって通常の放送と同じ契約を結ばせ、同じ金額を徴収していいのか」(幹部)と見直しを求める声も多いという。

総務省は契約の現場でどのようなやりとりが行われているか、ワンセグ携帯を理由にした受信契約がどのぐらいあるのかなどをNHKから聴く。

ワンセグを理由にした契約は行わないようにすることも含めてNHKと話し合う方針だ。

高市氏の発言を受け、ネット上などで「ワンセグを受信できる携帯は買わない」などと反発が広がっていた。

総務省幹部は「大臣の発言はこれまで国会などで繰り返してきた総務省の見解を述べただけで、NHKの肩を持ったり、地裁判決に反論したりしたわけではない」と説明している。」




更に、以下は、同じく、朝日新聞デジタル(2016年9月8日)からの引用です。

NHK籾井氏、ワンセグ受信料徴収「続行」 判決に反論

「NHKの籾井勝人会長は8日の定例記者会見で、「ワンセグ携帯も受像器の一つだ」として、これまで通り受信料を徴収する考えを示した。

さいたま地裁がワンセグ放送を受信できる携帯電話を持っているだけでは受信料を支払う「義務はない」と判断したことに反論した。

総務省はNHKに契約実態を調べるよう求めたが、籾井氏は「ワンセグの契約が何台あるかは調べようがない」と述べ、調査しない考えも示した。

NHKはさいたま地裁の判決を不服として控訴している。

籾井氏は「総務省は我々の解釈を支持してくれると期待している」と話した。

NHK広報局は「ワンセグ付き携帯を保有していることを理由に受信契約を結んでいるケースはあるが、件数は把握していない」と説明。

「ワンセグ放送が始まった2006年4月から契約の対象にしている」という。

NHKに受信料を支払う「受信契約」について、放送法64条は「(NHKの)放送を受信できる受信設備を設置した者は(中略)受信についての契約をしなければならない」と定めている。

一般家庭との契約は世帯ごとにNHKが結び、推計で全世帯の79%が受信契約を結んでいるという。

15年度のNHKの受信料収入は6625億円だった。」




総務省が判断するのではなく、裁判所が判断するのですが。

一審のさいたま地裁↓の判決理由は、論理明快な感じで、座りが良く、書きやすいとは思います。
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/441648430.html

しかし、法の欠缺↓という考え方もあるので、やはり、重要なのは、総務省幹部がいうところ「ワンセグが受信できるからといって通常の放送と同じ契約を結ばせ、同じ金額を徴収していいのか」という実質論ではないでしょうか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A0%E7%BC%BA

フルハイビジョンだの4Kだのと言っている時代に、昔のVHSの3倍録画のような画質のワンセグ、YouTubeなどの無料動画配信サービスよりも画質が劣るワンセグ、どこでも受信できる訳ではないワンセグ、ガラケーやスマートフォンを購入したら勝手に付いてくるだけで実際には観ることもないワンセグを、高画質で録画もダビング10もできる通常のテレビ放送と、同列に考えるのが妥当かどうか、という話だと思います。

当然、最高裁まで行くのでしょうが、さて、どうなるのでしょうか。

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posted by 森越 壮史郎 at 12:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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