以下は、どうしんウェブ(2016/06/26)からの引用です。
「集団予防接種で注射器の使い回しを放置し、ウイルスの感染拡大を招いたとして国の責任が問われたB型肝炎訴訟で、原告団と国が和解の基本合意をしてから28日で5年。
札幌地裁で始まり、全国に広がった集団訴訟の原告は約3万3千人に上り、うち約2万人が和解した。
ただ、40万人とされる未発症の感染者(キャリアー)の提訴はほとんど進んでいない。
感染に気付かず死亡するケースも出ており、原告団は早期の検査や提訴を呼び掛けている。
「まさか、たった6日で亡くなるなんて…」。
石狩管内の70代女性は3年前、B型肝炎ウイルスに感染した長男が43歳の若さで亡くなったショックから抜け出せずにいる。
女性は幼少期の予防接種が原因でB型肝炎ウイルスに感染し、慢性肝炎を発症。
国の救済措置を求めて提訴し、2012年に和解が成立した。
母子感染が疑われる息子2人にも検査を勧めたが、女性の病状が比較的軽かったためか、深刻に受け止めてもらえなかったという。
長男は13年6月、腰痛を訴えて椎間板ヘルニアと診断されたが、2カ月後に別の病院で肝がんと判明。
すでに肺などにも転移しており、6日後に息を引き取った。
その後、次男(41)も感染が発覚。
昨年2月に肝がんの手術を受けた。
女性は「息子たちには本当に申し訳ない。長男は結婚9年目で、仕事も順調だった。もっと早く検査を受けさせていれば良かった」と悔やむ。
B型肝炎ウイルスは幼少期に感染すると持続的に体内に残り、10〜15%の割合で慢性肝炎や肝硬変、肝がんを発症するとされる。
11年6月の基本合意に基づき、裁判で予防接種に起因する感染と認められ、国と和解すれば、患者や遺族には病態に応じて50万〜3600万円の給付金が支払われる。
未発症のキャリアーに対する給付金は50万円と低額だが、これとは別に慢性肝炎などの発症の有無を確認する定期検査費や、母子感染防止のための医療費などが支給される。
この5年間で肝硬変や肝がんなどを発症した患者らの提訴は進んでいるが、推定45万人とされる感染被害者の大部分を占めるキャリアーの提訴は昨年末までで、約8500人にとどまる。
厚生労働省の担当者は「感染に気付いていない人や、気付いたとしても訴訟手続きの煩雑さなどを理由に提訴しない人が多い」と話す。
B型肝炎訴訟北海道原告団副代表の小川ルリ子さん(56)=空知管内長沼町=は「提訴が遅れると、裁判の証拠として必要な医療記録が集まりにくくなり、和解できずに泣き寝入りする人も多い。たとえ症状がなくても、早期に手続きをしてほしい」と話す。
12年に施行された被害者救済の特別措置法は給付金の請求期限を17年1月としていたが、法改正で22年1月まで延長された。
全国弁護団事務局長の奥泉尚洋弁護士(札幌)は「国は定期的なウイルス検査を促進し、誰にでも感染被害の可能性があることを周知してほしい」と訴える。」
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