以下は、毎日新聞(2016年5月20日)からの引用です。
「東京都の舛添要一知事は20日の定例記者会見で、政治資金の私的流用を相次いで指摘されていることについて「政治資金規正法に精通した複数の弁護士に(政治資金収支報告書などの)調査を依頼する」と表明した。
「第三者に厳しい目で調査いただく」と繰り返すこと60回以上。
舛添氏が17日に「20日の定例記者会見で答えたい」と自ら宣言して迎えた2度目の「釈明会見」は2時間16分に及んだが、政治資金の使途などの説明は全て先送りされた。
「説明責任は果たした」と強弁した会見から1週間。
噴出する「疑惑」を追及された舛添氏は疲れた表情を見せ、口調も弱々しかった。
会見場には約170人の報道陣が集まった。
薄いグレーのスーツに紫色のネクタイを締めた舛添氏は冒頭の2分間、東京都内の劇場不足対策を説明した。
都庁関係者は「文化行政に関心の高い知事が、自ら説明したいと望んだ」と明かす。
対策に関する質問が出ないのを見て、舛添氏は手元の資料をそろえると「政治資金についてご心配、ご迷惑をおかけしていることを心から深くおわび申し上げます」と、深々と頭を下げた。
その後も「厳しいご指摘をいただいている」「疑念を持たれて恥ずかしい」「真摯(しんし)に反省し改善したい」と述べ、頭を15回下げて反省を強調した。
ところが、不透明な政治資金の使途に関する問いには全て口をつぐみ、「政治資金に精通する弁護士に調査をお願いする」「第三者の公正な目で見ていただく」と繰り返した。
公用車の使用や一部を政治資金で購入した美術品の保管場所など政治資金以外の問題についても、第三者に調査を委ねるとして説明を拒んだ。
恣意(しい)的な公私混同との指摘には「そういう意図はない」と否定したが、政治団体の会計責任者に個人の会計も託した理由を尋ねられても「反省している」「(会計責任者に)精査してもらうため」「システムとしてそうしていた」と言うばかり。
市民団体が東京地検に政治資金規正法違反容疑などで舛添氏と会計責任者だった男性の告発状を送付したことに関しては「当局から捜査に協力を求められれば真摯に対応する」と述べた。
批判がやまない状況に「私は信頼を失っている」と認め、信頼回復の道筋を問われると「都民のために仕事をしたい」と視線を落としながら答えた。」
我々弁護士は、単なる自営業者で、公職に就く場合であればともかく、そうでない場合には、依頼者から費用を頂いて仕事をする訳ですから、純然たる第三者ではないことは、誰の目にも明らかではないでしょうか。
政治資金規制法に精通した弁護士とは、どなたなのでしょうか。
まさか、政治資金規制法違反の刑事弁護の経験豊富な弁護士ではないですよね。
ヤメ検やヤメ判だからと言って、政治資金規制法違反の事件を集中的にやっていた人は、いないと思いますが。
ところで、調査費用は、勿論、自腹ですよね。
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