以下は、YOMIURI ONLINE(2016年5月8日)からの引用です。
「法科大学院の志願者減少に歯止めをかけるため、文部科学省の中央教育審議会・作業部会は、受験者の第一関門になっている共通テスト「適性試験」を各校が任意で利用する方式に転換する方針を固めた。
11日の中教審・特別委員会に報告書を提出し、2018年度の実施を目指す。
これにより、適性試験は廃止に向かう見通しで、法曹としての資質を入り口でチェックしてきた法科大学院は当初の制度設計から一層乖離(かいり)が進むことになる。
適性試験は法律家に必要な思考力や表現力を問う内容で、各法科大学院が個別入試の際、成績提出を義務付けている。
毎年5〜6月に2回実施されており、今年度は全国14地区で行う。
法科大学院の受験者は、一斉開学した2004年度の約4万人から15年度は約9300人に激減。
当初の74校のうち31校が廃止を決めた。
文科省が昨年10月、学生募集を継続していた45校を対象に調査したところ、41校が「適性試験が志願者確保の障害」と回答。
「実施場所や回数が限られており、受験しにくい」などを理由に挙げた。
合否への影響が3割未満という大学院も半数以上に上った。」
新司法試験制度、法科大学院制度の前提として、法律家に必要な思考力や表現力を問うために必要だとして導入された適正試験なのに、「適性試験が志願者確保の障害」「実施場所や回数が限られており受験しにくい」という理由で廃止とは、本末転倒も甚だしいですね。
予備試験は、年に一度きりのチャンス、短答式試験は全国7会場、論文式試験は全国4会場、口述試験は1会場、一般教養科目もあり、合格率は僅か数%という狭き門なのに、受験者数は年々増加していますが↓
http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji07_00149.html
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/429325245.html
法科大学院を対象に調査したところで、教員や大学院生の声しか聞こえない訳で、実際に法科大学院の受験をやめた方々のやめた理由が、どうしてわかるのでしょうか。
誰のための法曹養成制度なのでしょうか。
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