以下は、朝日新聞デジタル(2016年1月11日) からの引用です。
「インターネットを通じた法律相談が盛んだ。プロが無料で答える民間サイトは相談が殺到。大阪弁護士会も乗り遅れまいと、全国の弁護士会で初めて専用サイトを立ち上げた。「まずは面談」の常識は覆り、ネット主流の時代が始まろうとしている。
Q「友人にお金を貸したのに返してもらえません。(無料通信アプリ)LINE(ライン)上でのやりとりは貸した証拠になりますか」
A「金銭の授受と返還の約束がわかるような内容なら証拠として価値がある可能性があると思います」
2005年8月、ネットに現れた法律相談サイト「弁護士ドットコム」。ユーザーが投稿フォームから質問すると、登録弁護士が得意分野に応じて回答してくれる。借金、交通事故、離婚、遺産相続、刑事事件……。やりとりは公開され、他の人の問答も参考にできる。匿名・無料でプロに相談できる気安さが強みだ。
ログイン前の続き登録弁護士はどんどん増え、昨年末には9千人を突破。日本の弁護士の4人に1人を数える。相談件数も10年11月は累計3万件超だったのが、昨年末には40万件を超えた。回答に対するユーザーの評価をもとに日々更新される「弁護士ランキング」も売りだ。
運営会社代表の元栄(もとえ)太一郎弁護士(40)=第二東京弁護士会=は「もっと知名度を上げ、110番並みの身近な存在にしたい」と言う。大学時代、交通事故の補償で相手方にやり込められた経験が原点にある。
「遠くてお高い印象の弁護士。でも、法律サービスを必要としている人は数多くいる」。維持運営費は広告収入などでまかなう。最終的には面談があるべき姿だと思う。「このネット時代、まずは市民の一部しか司法サービスを受けられていない実情を変えたい」
国の法曹人口拡大路線で弁護士の数は昨年約3万6千人となり、05年の1・7倍に。一方で訴訟や事件の総数はここ10年ほど減る傾向にあり、弁護士間の競争が激化している。知名度アップにつながるサイトは弁護士にとっても魅力だ。
大阪弁護士会の波多野進弁護士(47)は労働問題を中心に2千件余りの相談に答え、昨年末のランキングは20位前後をキープ。「困っている人に方向性を示せた時はうれしい」。やりとりを通じて名前や専門分野が知られ、問い合わせも増えてきた。「ただ、込み入った相談は面談が必要。あくまで参考意見として受け止めてほしい」と話す。
■大阪弁護士会は有料で参入、売りは「公認」
「どこからでも相談できる」「弁護士会の公認だから安心」。そんな触れ込みで、大阪弁護士会は昨年11月からネットの「e(イー)相談」を全国に先駆けて始めた。
回答役に手を挙げた弁護士約360人から1問につき2人を指名。若手が原案を考え、ベテランがチェックして品質を保つ。料金は質疑応答2往復までなら面談30分と同じ5千円だ。
メンバーの井崎康孝弁護士(45)は、女性から離婚がらみの相談を受けた。相談者の経済状況や家族構成といった基本情報があらかじめ入力され、「面談よりスムーズだった」。複数の弁護士が時間をかけて細部まで検討した答えを練り上げることができ、「おおむね満足してもらえたと思う」と振り返る。
市民の身近な困りごとを受け付ける法律相談は、各地の弁護士会が力を入れる中核事業だ。だが、限られた日時に特定の会場へ足を運ばなければならず、相談件数は年々減る傾向にある。大阪弁護士会の法律相談も08年度は2万件を超えたが、14年度は半減。あるはずのニーズをどうつなぐかが課題になっていた。
ネット法律相談を提唱してきた大阪弁護士会の土谷喜輝(つちたによしあき)副会長(45)は語る。「事業の中核が細れば、弁護士会の独立や自治を自主財源で支える仕組みが揺らぐ。市民の権利を守り、権力を監視する弁護士の役割を果たすためにも、ネット相談を軌道に乗せたい」」
ネットが主流、匿名もOKですか。
私は、時代遅れの弁護士ということになるのでしょうが、顧問会社などは別として、メールでの相談は勿論、電話での相談にも応じていませんし、匿名での相談には、尚更、応じるつもりはありません。
多分、今後も、この方針を変えることはないと思います。
ホームページでは、簡単に、「法律相談の正確性を期するためには、ご本人と直接面談の上、持参していただいた関係資料を精査し、詳しい事実関係をお聞きする必要がある」とだけ記載していますが↓、他にも、様々な理由があります。
http://morikoshi-law.com/houritusoudan.html
人によっては、自分に都合の悪い事実を伏せようとする方もいますし、客観的な証拠と矛盾する事実を述べる方もいます。
そのような場合の相談の結果が、一人歩きされては困ります。
匿名での相談ということになれば、実は逆の立場からの相談かも知れませんし、事件屋からの相談という可能性もあります。
考え過ぎかも知れませんが、「LINE(ライン)上でのやりとりは証拠になりますか」という相談だって、必ずしもお金を貸したことの証拠のこととは限らず、LINE上のやりとりをネタに、誰かをゆすろうとしているのかも知れません。
弁護士には守秘義務がありますし↓、初回の相談は無料ですので、安心して気軽に足を運んで頂きたいです。
http://morikoshi-law.com/faq1-6.html
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