以下は、朝日新聞デジタル(2015年11月12日)からの引用です。
「レンタル業者が貸し出した携帯電話が、犯罪に使われるケースが増えている。
契約者の本人確認の甘さを利用して特殊詐欺やヤミ金などで使われ、ここ数年で一気に急増。
悪用されることを知りながら契約する悪質なレンタル業者もいるといい、警視庁は12日、詐欺で使われた携帯電話を貸し出したとして、都内のレンタル業者を家宅捜索した。
捜査2課は、香川県の女性から710万円をだまし取ったとして都内の男ら4人を詐欺容疑で逮捕。
男らが使っていた二十数台の携帯電話の貸し出し元として、12日に東京都渋谷区のマンション一室にあるレンタル業者を捜索した。
捜査関係者は「詐欺グループと結託し、だまし取った金を分け合っていた可能性もある」と話す。
捜査関係者によると、犯罪に使われる携帯電話は、ほぼすべてが第三者や架空の名義で契約されたもの。
警察がこうした携帯電話の契約者情報をNTTドコモなどのキャリア事業者に確認したところ、契約先として確認できたのはレンタル業者だったケースが大半で、その数は2007年の172件から昨年は9276件と、7年間で約54倍になっていた。
警察庁によると、昨年6月までの半年間に摘発したレンタル業者8業者が契約した4796回線を調べたところ、携帯電話不正利用防止法で義務づけられている契約時の本人確認で、偽造の身分証明書が使われていたケースが4369回線に上った。
こうした背景を受け、警察はキャリア事業者に悪質なレンタル業者との回線契約を解除するよう求めるなど、対策に力を入れている。
詐欺事件に詳しい立正大の西田公昭教授(社会心理学)は「レンタル業者は『売れればいい』という利益優先の考えになりがちで、不正への対策が遅れている。レンタル電話から発信されていると受信側にわかるようにするなど、一般の利用者保護の観点に立った対策を強化することが必要だ」と話す。」
詐欺事件に詳しい大学教授さんが、いるのですね。
4796回線のうち4369回線と、実に9割以上で偽造の身分証明書が使われていたのに、単なる過失だとは、とても思えませんが。
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