以下は、カナロコ(神奈川新聞)(2015年11月12日)からの引用です。
「元最高検幹部の男性弁護士(80)が、担当する事件の容疑者の妻を連れて検察トップの検事総長らと面会し、公正な刑事処分に疑惑を抱かせたとして、所属する横浜弁護士会から戒告の懲戒処分を受けていたことが11日、分かった。
日弁連の資料などによると、男性弁護士は2013年6月、強制わいせつ容疑で逮捕された男性容疑者の弁護人に就任。
男性が勾留中、男性の妻とともに、事件を担当する検察官やその上司をはじめ、検事総長や検察幹部と面会した。
懲戒理由は「元検察官のキャリアや人脈などを強く印象づけ、刑事処分の公正に対して疑惑を抱かせる行為を行った」としている。
このほか、受任時に弁護士報酬の説明を十分にしなかった▽男性の意思を確認せずに「罪を認めて深く反省し」などとする誓約書を検察官に提出した▽弁護人辞任後に男性から弁護士報酬の返還請求をされた際、脅迫的な意味合いを持つ書面に署名した−なども懲戒理由とした。
処分は7月8日付。
男性弁護士は、札幌地検検事正や最高検総務部長などを歴任。
退官後の05年に弁護士登録した。
神奈川新聞社の取材に「(処分に)異議はあるが取材には回答できない」と話した。
検事総長は最高検の長で検察トップ。
検察庁法で、すべての検察庁の職員を指揮監督すると定められている。」
まさか、検事総長や検察幹部が、特定の事件の被疑者の弁護人である立場の弁護士と、被疑者の妻であることをわかっていて、面会した訳ではありませんよね。
もし、そうであれば、この弁護士の戒告処分だけで、済むような話ではないのではないでしょうか。
私も、修習時代に指導担当だった検事や、同期だった検事に、「私用で」ということで、挨拶に行くことはあります。
ですので、単に「昔の同僚なので」ということで、事件のこととは全然関係なく、同伴者が被疑者の妻であることも伏せて、面会したのではないでしょうか。
でもって、被疑者の妻には、「目の前で表立って言う訳には行かないけど、もう話は通っているから大丈夫、任せておけ」とでも言って、信じられないような金額の弁護料をとっているのではないでしょうか。
結局、辞任(解任?)しているので、功を奏さなかったようですが。
いずれにしても、変な道具に使われないためにも、誤解されないためにも、立場のある方は、昔の同僚と面会するにしても、本人とだけにするべきではないでしょうか。
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