以下は、産経ニュース(2015.8.5)からの引用です。
「仮想通貨「ビットコイン(BTC)」の取引所「マウントゴックス」=破産手続き中=を利用していた京都市内の男性が、同社の破産管財人に対して、預けていたBTCの返還を求めた訴訟の判決が5日、東京地裁であった。
倉地真寿美裁判長は「BTCは所有権の対象とならない」と判断し、請求を棄却した。
判決で、所有権は民法上、液体や気体など空間の一部を占める「有体物」と定義され、排他的に支配できるものを対象としていると指摘。
その上で、デジタル通貨であるBTCは有体物に当たらず、BTCを利用者間でやりとりする際には、第三者が関与する仕組みになっており、排他的支配の実態もないと認定した。
判決によると、マウントゴックスの男性の口座には約458BTC(昨年6月時点で約3100万円相当)が残っていた。」
まるで、ビットコインに関しては、法的保護の対象外であるかのような報道ですが、決して、そういうことではないと思います。
「458ビットコインを返還せよ」という請求の趣旨ではだめで、解約なり何なりしたビットコインに相当する「金3100万円を支払え」などの請求の趣旨にしなさいということだと思います。
原告側は、破産手続において、既に、そういう形で債権届出をしていると思われ、それ自体は認められるでしょうから、敢えて、本件訴訟においては、請求の趣旨の変更をしなかったということではないかと思います。
では、なぜ、本件訴訟が判決にまで至ったのかと言えば、敗訴とわかっていても判決を貰うのか、訴えを取り下げるのかは原告の自由ですし、仮に、原告が取り下げたいと言っても、被告が同意しなければ、やはり判決とならざるを得ないからではないかと思います。
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