以下は、神戸新聞NEXT(2015/4/10)からの引用です。
「神戸家裁は10日、少年審判の決定全文を掲載した文芸春秋と、記事を寄稿した共同通信社の佐々木央編集委員、事件を担当した元判事で、全文を提供した井垣康弘弁護士に抗議文を送った。
神戸家裁の岡原剛所長は抗議文で「裁判官が退職後も負う守秘義務に反する行為」とした上で、「非公開とされる少年審判に対する信頼を著しく損なうもの。事件関係者に多大な苦痛を与えかねず、誠に遺憾」と厳しく批判している。
これに対し、井垣弁護士は「事件を理解する上では、決定要旨で省かれた加害男性の生育歴について、正しい情報を共有することが必要。少年法と照らしても、公開は特に問題はないと考えている」と話した。
「文芸春秋」編集部のコメント
神戸連続児童殺傷事件は、今日も続く重大な少年事件の原点ともいえる事件で、その全貌を知ることによって、社会がくみ取ることができる教訓が多いと考え、掲載を決意しました。
共同通信社総務局のコメント
共同通信社は、被害者感情や元少年が社会復帰していることに配慮し、決定全文の内容を報じていません。
編集委員が寄稿する形で掲載された詳しい経緯など事実関係を調査中です。」
以下は、同じく、神戸新聞NEXT(2015/4/11)からの引用です。
神戸連続児童殺傷事件 遺族が不快感 家裁決定全文掲載
神戸市須磨区で1997年に起きた連続児童殺傷事件で、当時中学3年の加害男性(32)を「医療少年院送致」とした神戸家裁の決定全文が、10日発売の月刊「文芸春秋」5月号に掲載されたことを受け、殺害された児童2人の遺族が「理解できない」と不快感を示した。
家裁は97年10月、加害男性の医療少年院送致を決定。
異例の措置として、審判の決定要旨を公開したが、男性の生育歴や精神鑑定の主要部分は明かされなかった。
事件で亡くなった山下彩花ちゃん=当時(10)=の母京子さん(59)は「なぜこの時期の掲載なのか理解できないし、社会にとって意味のあることなのかも疑問」と述べ、「退職したとはいえ、元判事が個人の意思で勝手に公表するのはいかがなものか。事件の教訓は別の形で伝えられるのでは」と話す。
次男の淳君=当時(11)=を失った土師守さん(59)は「遺族の心情を無視した掲載」と批判。
「あの事件は非常に特殊なケースで、他の少年事件の参考にもならない」とし、「一般の人たちに興味本位で読まれるのはつらい」と話した。
少年法の問題以前に、守秘義務違反は明らかですよね。
裁判官を定年退官して、退職金を沢山貰って、年金も沢山貰えるから、懲戒処分なんて、怖くも何ともないのですかね。
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