2015年03月03日

接見交通権:「画像撮影は含まれず」地裁小倉支部判決


以下は、毎日新聞(2015年02月26日)からの引用です。

「福岡拘置所小倉拘置支所(北九州市小倉北区)で接見中に撮影した被告の画像を支所側の要請で消去させられたのは接見交通権の侵害に当たるとして、福岡県の田辺匡彦(まさひこ)弁護士(61)が国に330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁小倉支部は26日、請求を棄却した。

田辺弁護士は控訴する方針。

野々垣隆樹裁判長は「撮影は接見交通権に含まれず、面会室での撮影禁止が弁護活動を不当に制約するとまでは言えない」と述べた。

判決によると、田辺弁護士は2012年2月、被告に「支所職員から暴行を受けた。証拠に残してほしい」と言われ、携帯電話のカメラ機能で被告の顔を撮影したが、支所職員に消去を求められ、その場で画像を消去した。

田辺弁護士は判決後「撮影に伴う拘置所側の弊害すら示しておらず、極めて不当な判決」と話した。

法務省は「国の主張が認められたと理解している」としている。

接見時の写真撮影の適否を巡る判決は昨年11月の東京地裁に続き全国2例目。

東京地裁は「被告らを撮影して記録することは必要不可欠とまでは言い難い」と判断した一方、途中で面会を中止させた行為は接見交通権の侵害に当たるとして国に10万円の賠償を命じた。」




何と、支所職員から暴行を受けたということでも、認められないのですか↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/408841968.html

証拠保全の申立て↓をしなさいということなのですかね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%BC%E6%8B%A0%E4%BF%9D%E5%85%A8

日弁連が、会長談話を発表するのも、当然でしょうね。
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2015/150226.html




こういう見識のある裁判官もいるのですが↓

という訳で、以下は、毎日新聞(2015年02月19日)からの引用です。

東京地裁:児相職員同席は違法…少年にも秘密接見交通権

「少年審判で児童自立支援施設に入所した少年への面会が、児童相談所職員の立ち会いなしに許されなかったのは違法だとして、付添人の弁護士が東京都に10万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は19日、少年との面会について、立ち会いなしの「秘密接見交通権」を認める初の判断を示した。

その上で請求は棄却した。

判決によると、少年は昨年1月に施設に入所。

少年審判の抗告審の打ち合わせで施設を訪れた弁護士が面会を申し入れたが、「少年への福祉的配慮」を理由に児相職員が同席した。

近藤昌昭裁判長は「付添人は刑事手続きの弁護人と同様、少年の権利や利益を保護する役割を担う」と指摘。

立ち会いによって、少年が自由に発言することをためらう可能性があることなどを挙げ、都側の対応を違法と判断した。

その上で、施設内での秘密接見交通権を定めた明文規定はなく、付添人の面会には職員の立ち会いが通例となっていたことなどを踏まえ、「施設側に故意や過失はなかった」として賠償を求めた請求は退けた。」




これまでは、職員の立会いが通例となっていたので、「故意・過失がない」ということで、請求棄却となりましたが、今後、同じことを行えば、損害賠償が認められる可能性があるということになります。

東京都にとっては、請求棄却、すなわち、全面勝訴の判決なので、控訴することはできません↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/408841968.html

ですので、付添人の弁護士が、控訴しなければ、判決が確定することにはなるのですが…。

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posted by 森越 壮史郎 at 17:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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