朝日新聞デジタル(2015年1月21日)からの引用です。
「無許可で客にダンスをさせたとして風俗営業法違反罪に問われた大阪・キタのクラブ「NOON(ヌーン)」の元経営者・金光(かねみつ)正年被告(52)の控訴審判決が21日、大阪高裁であった。
米山正明裁判長は金光被告に無罪(求刑懲役6カ月、罰金100万円)を言い渡した一審・大阪地裁判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。
金光被告は2012年4月4日夜に大阪府公安委員会の許可を受けないまま客にダンスや飲食をさせたとして、逮捕・起訴された。
一審判決は「客同士が体を触れ合わせて踊る状態ではなかった」と指摘。
金光被告は風営法が規制対象とする「性風俗の乱れにつながる舞踊」を客にさせておらず、許可を必要としない営業形態だったと判断していた。
検察側は控訴審で「無許可営業なら規制すべきで、どんなダンスをさせたかを問題にすべきではない」と主張。
これに対し、弁護側は「ダンスをさせているというだけで規制すれば、表現の自由や営業の自由を不当に制約する」と反論していた。
風営法をめぐっては、政府が昨年10月、ダンス教室を規制から外す一方で、飲食を伴うクラブについては店内の明るさや営業時間に応じて規制する改正法案を閣議決定。
臨時国会に議案が提出されたが、11月の衆院解散で廃案になった。」
この事件の続報ですね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/396468374.html
報道では、詳しい判決理由はわかりませんが、この裁判を支援するサイトによると、風営法2条1項3号の「ダンス」を「男女が組となり、身体を接触させるのが通常の形態であるダンス」と限定的に解釈した上で無罪と判断し、違憲無効の主張については、やはり、サラリと流したようです↓
http://noon-trial.com/article/547.html
最高裁は1つしかなく大忙しなので、民事事件同様、刑事事件でも、上告理由は極めて限定されていますし、今後法改正が行われそうですので、検察庁は、上告しないのではないでしょうかね。
ちなみに、被告人側は、無罪を主張して、無罪になっているので、その理由に納得できなくても、上告することはできません。
ですので、画期的な最高裁判決を得る機会は、なかなかないものですし、高裁の裁判官も、それを分かっているので、違憲無効の主張をサラリと流しているのかも知れません。
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