以下は、毎日新聞(2014年11月18日)からの引用です。
「安倍晋三首相の解散表明で実施される衆院選について、国政選挙の「1票の格差」の是正を求める弁護士グループが18日、選挙の実施の差し止めを求める訴訟を東京地裁に起こした。
人口に比例した議員定数を配分する法案提出の義務づけも併せて国に求めた。
最高裁が2009年と12年の衆院選を「違憲状態」と判断した後も選挙制度の抜本改革はなされず、「違憲状態のままの選挙が実施される前にストップさせたい」としている。
訴えたのは山口邦明弁護士らのグループ。
天皇が国事行為として総選挙を公示するために必要な「内閣の助言と承認」が最初の手続きとして、この差し止めを求めた。
前回衆院選では同趣旨の訴訟を起こして敗訴したが、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した山口弁護士は「(前回選挙後に行われた)定数の0増5減では、最高裁が指摘した『違憲状態』は解消されない。格差是正が不十分なまま選挙が実施されるのは不当だ」と主張した。
最高裁大法廷は11年3月、1票の格差が最大で2.30倍だった09年の衆院選を「違憲状態」と判断。
議席をまず47都道府県に1ずつ割り振ってから残りを人口比で配分する「1人別枠方式」の廃止を求めた。
だが実現しないまま12年の選挙が実施され、大法廷は13年11月、再び「違憲状態」と判断した。
この間、小選挙区定数の「0増5減」は実現したものの、1人別枠方式による選挙区割りは維持されている。」
以下は、前回の衆院選の際の毎日新聞(2012年11月30日)からの引用です。
衆院選差し止め訴訟:1票の格差是正求める原告側敗訴確定
最高裁が示した「違憲状態」を是正しないまま行われる12月16日投開票の衆院選を巡り、1票の格差是正を求める山口邦明弁護士のグループが国を相手に選挙実施の差し止めなどを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷=横田尤孝(ともゆき)裁判長=は30日付で、訴えを却下した1、2審判断を支持し、上告と特別抗告をいずれも棄却する決定を出した。
弁護士グループの敗訴が確定した。
1、2審とも「選挙の差し止め訴訟を起こせると定めた法律の規定はない。訴えは不適法だ」と判断。
小法廷も「上告理由に該当しない」と退けた。
山口弁護士は記者会見し、「最高裁が憲法違反と判断した定数配分規定で再び選挙をやるのは、普通の人が考えればおかしい。人権侵害が行われようとしているのに裁判所が止めないとはどういうことか」と憤った。」
我々はプロなのですから、憤ってみたところで、同じことをしてみたところで、仕方がないように思います。
義務づけ訴訟というのが、新しいということなのだと思いますが、「人口に比例した議員定数を配分する法案提出の義務づけ」というのは、余りに抽象的に過ぎるように思いますが…。
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