以下は、YOMIURI ONLINE(2014年10月31日)からの引用です。
「認知症の高齢女性が、遺産相続を相談していた京都弁護士会の柴田茲行しげゆき弁護士(84)に6億円相当の遺産を譲るとした遺言書の有効性が争われた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は30日、1審・京都地裁判決と同様、遺言書を無効と判断した。
志田博文裁判長は「弁護士が女性の信頼を利用して遺言書作成を誘導しており、公序良俗に反する」とし、原告である女性のめいを相続人と認めた。
控訴審判決によると、女性は京都市内で呉服店を経営していた2003年12月、「私のいさんは後のことをすべておまかせしている弁ご士(柴田弁護士)にいぞうします」とする遺言書を作成し、09年に92歳で死亡。
柴田弁護士は遺言書に基づき、預貯金など計約5億円と、株式など約9400万円相当の贈与を受けた。
1審判決は、女性が02年に認知症を発症し、利害得失を理解できる能力が著しく減退していたとしたが、志田裁判長は「症状はそれほど悪化していなかった」とし、女性に遺言書の作成能力はあったと判断した。
一方で、作成の約1か月前、柴田弁護士が女性に遺言書とほぼ同じ例文を書面で示して記載内容を誘導したと指摘。
「高齢で思考力が低下した女性に弁護士としてなすべき助言、指導をせず、自己の利益を優先した。著しく社会正義に反する」とし、柴田弁護士の控訴を棄却した。
柴田弁護士側は上告する方針。」
この事件の続報ですね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/356173766.html
1審判決から1年半余りと、結構、年月が経過していますね。
本件では、控訴審で、膨大な量の新たな主張・立証があるとは思えないので、裁判官が、熱心に、和解勧告をし続けてくれていた、ということでしょうか。
それとも、弁護士側が、だらだらと時間稼ぎをしていた、ということでしょうか。
どこまで恥を晒すのかと思う方もいるかも知れませんが、遺贈を受けた財産に手を付けてしまっており、返せないのかも知れませんし、そうでなくても、弁護士が、無効な遺言、しかも自身に多額の財産を遺贈するという内容の遺言を作成させたということになれば、当然、懲戒問題になりますので、最後まで争い続けるしかないのでしょうね。
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