以下は、朝日新聞デジタル(2014年10月9日)からの引用です。
「大阪府南部の泉南地域に点在していたアスベスト(石綿)加工工場の元労働者らが、健康被害をめぐり国に賠償を求めた二つの集団訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(白木勇裁判長)は9日、国の賠償責任の一部を認めた。
石綿による健康被害で最高裁が国の責任を認定したのは初めて。
被害をめぐる全国の訴訟にも影響を与える。
原告は元労働者や遺族ら計89人で、2006年に提訴した「第1陣」の34人と、09年提訴の「第2陣」の55人。
第1陣の二審・大阪高裁判決(11年8月)は「規制を厳しくすれば産業社会の発展を大きく阻害する」と指摘。
規制は行政の裁量に広く委ねられているとして、国の責任を否定した。
これとは逆に、第2陣の二審・同高裁判決(13年12月)は、国の責任を認めた一審よりも国の規制を違法とする範囲を拡大。
国の賠償責任の割合も「2分の1」に引き上げ、計約3億4千万円の支払いを命じた。
二つの二審判決は、国の責任をめぐる判断がねじれた状態になっていた。」
早速、裁判所のホームページに掲載されています↓
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84545
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84546
第1陣が提訴した2006年から実に8年、第1陣の大阪高裁判決が出た2011年8月からですら、3年以上が経過していることになります。
しかも、「更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すべきである」ということであって、まだ全面的に解決した訳ではありません。
法曹の一員ですので、仕方がない面があることは理解できますが、やはり、何とかならないものかと思います。
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