2014年10月07日

薬師寺保栄氏 元みずほ銀行行員に1.3億円騙し取られていた


以下は、NEWSポストセブン(2014.10.06)からの引用です。

「元みずほ銀行本店行員O氏に対する告訴状が警視庁に提出され、受理されたのは9月30日である。

都内の会社役員から多額の現金を騙し取ったという詐欺の容疑だ。

O氏は第一勧業銀行出身で、都内の支店長などを経て本店勤務となったが、詐欺騒動をきっかけに2012年9月に退社したという。

多数と見られる被害者のなかには、元WBC世界バンタム級チャンピオンの薬師寺保栄氏も含まれていた。

投資は1億3000万円に及び、大半が未返済のままだという。

10月6日発売の週刊ポスト10月17日号で、同氏はこう語っている。

「O氏と初めて会ったのは2010年の夏。知人の会社経営者から紹介されました。身長170センチ弱と小柄な体格。さっぱりと短い髪で、地味なスーツにネクタイを締めた、いかにも銀行員といった風貌でした。ただ、『お勧めしたいファンドがある。月利5%の投資話です』とあまりにうますぎる内容だったため、最初は信用していなかったんです」(薬師寺氏)

後日、名古屋在住の薬師寺氏はO氏が本当にみずほ銀行の現役行員なのかを確認するため、同じく投資を検討していた知人と一緒に、東京・内幸町のみずほ銀行本店(当時。現在は大手町に移転)に出向いたという。

「みなさんに顔が知られている私が突然出向くと不審がられると思い、本店までは知人に行ってもらいました。本当に本店で働いているか、呼び出して確認するためです。すると、本店から社員証を下げたO氏が出てきて、知人を本店内に案内した。知人は受付を通り、2階の応接室に通され、投資の説明を受けている途中で、女性の事務員からお茶も出されたそうです。これで私と知人の疑念は消え、“本当にみずほ銀行が行なっているファンドへの投資話だ”と信じてしまったんです」(同氏)

薬師寺氏はさらに同誌で、O氏による手口の一部始終について証言している。」




民法715条1項は、「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。」と定めています。

司法試験を本格的に目指した人なら、誰でも知っていると思いますが、「事業の執行について」の要件に関して、判例は、外形標準説をとり、実際に被用者の職務の範囲内でなくとも、外形上職務の範囲内であると判断される行為であれば、この要件を満たすとしており、最高裁判所昭和40年11月30日判決は、手形の偽造行為ですら、「事業の執行につきなされたものと解するのが相当である」と判示しています↓
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=53891

ですので、この報道が事実だとしたら、みずほ銀行に、全額被害弁償して貰えば、良いのではないでしょうか。

それとも、被害弁償を受けてしまうと、刑事告訴に迫力がなくなるから、という戦略なのでしょうか。

詐欺騒動をきっかけに2012年9月に退社したということは、その頃には、「損害及び加害者を知った」ということになりそうですが、使用者責任も不法行為責任なので、「損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する」(民法724条)ことになります。

既に、民事訴訟で係争中、ということなのでしょうか。

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posted by 森越 壮史郎 at 12:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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