以下は、朝日新聞デジタル(2014年9月18日)からの引用です。
「警察や検察の取り調べの録音・録画(可視化)を一部の事件で義務化することや、司法取引の導入などを柱とした刑事司法の改革案が、正式に決まった。
法制審議会(法相の諮問機関)が18日、松島みどり法相に答申した。
法務省は答申に基づき、刑事訴訟法などの改正案を来年の通常国会に提出する。
大阪地検の証拠改ざん事件をきっかけに冤罪(えんざい)事件を防ぐ目的で議論は始まったが、可視化の範囲を限定する一方、捜査の武器を拡大する結論となった。
可視化が義務づけられるのは、警察、検察とも裁判員裁判の対象事件。
検察は特捜部などによる独自捜査事件でも義務化される。
ただ、対象は全ての刑事裁判の2%に限られる。
司法取引は、容疑者や被告が他人の犯罪事実を捜査機関に明らかにする見返りに、自分の求刑が軽くなったり、起訴が見送られたりする制度。
薬物などの組織犯罪や贈収賄事件などを念頭に、主犯格の情報を引き出すことが狙いだ。
2000年に導入された捜査での通信傍受は、現在は薬物や銃器の犯罪など4種の対象事件に限られているが、振り込め詐欺や組織的な窃盗など9種を加える。
現在、義務づけられている傍受の際の通信会社員ら第三者の立ち会いも不要にする。
検察が被告・弁護側の求めに応じて証拠の一覧表を提示する制度の新設や、ストーカー事件などを念頭に、被告側に被害者の住所などの情報を明かさない被害者保護策も盛り込まれた。
証拠改ざん事件の被害者である村木厚子・厚生労働事務次官らがメンバーの特別部会が3年間議論を続け、今年7月に改革案を決定。
この日、法制審が同部会の案を承認した。」
法制審議会の新時代の刑事司法制度特別部会は↓
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi03500012.html
まだ、9月18日の分は掲載されていませんが、その前の7月9日の部会の最終的な取りまとめは↓
http://www.moj.go.jp/content/000125178.pdf
名簿は↓
http://www.moj.go.jp/content/000122717.pdf
冤罪(えんざい)事件を防ぐ目的で議論は始まったのに、むしろ捜査側の権限が拡大したように思いますが、全会一致なんですね。
被告側に被害者の住所などの情報を明かさない被害者保護策も盛り込まれたとのことですが、肝心要の逮捕状、勾留状、起訴状の取扱いについては、何ら言及していないのですね。
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