以下は、朝日新聞デジタル(2014年9月12日)からの引用です。
「覚醒剤や合成麻薬を使用した罪などに問われた人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKA(本名・宮崎重明)被告(56)=東京都目黒区=の判決が12日、東京地裁であり、植村幹男裁判官は懲役3年執行猶予4年(求刑懲役3年)を言い渡した。
判決の宣告後、植村裁判官は「(被告には)傲慢(ごうまん)な考え方が見受けられる。大切なものが何なのかを考えてほしい」と説諭。
閉廷後、ASKA被告は「罪の重さを改めて認識しました。改めて皆さまに心よりおわび申し上げます」とのコメントを出した。
判決によると、ASKA被告今年5月、自宅で覚醒剤約0・4グラムや合成麻薬MDMAなど約26・7グラムを所持したほか、同じころに東京都内などで覚醒剤や合成麻薬を使用した。
8月にあった初公判で、被告は起訴内容を認めていた。
ASKA被告はこれまでの公判で、覚醒剤を使い始めた理由を「眠気をとるためだった。興味があった」などと説明。
検察側は論告で「4年前から覚醒剤を継続的に使用しており、事件の社会的影響も大きい」として、厳しい処罰を求めていた。
これに対し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めていた。
一方、ともに逮捕され、覚醒剤取締法違反(使用)の罪に問われた知人女性の栩内(とちない)香澄美被告(37)=東京都港区=について、ASKA被告は「(覚醒剤を一緒に)使っていません」と述べた。」
覚せい剤取締法に詳しい弁護士ではなくても、法律の正式名称が「覚醒剤取締法」ではなく、「覚せい剤取締法」であることも、営利目的でもない限り、初犯で実刑になることはまずないことも、弁護士であれば誰でも知っていると思います。
執行猶予を付けられるのは懲役3年までですから、検察官が本気で実刑相当と考えているのであれば、懲役4年とかの求刑をするのが通例で(法定刑は、所持と使用の併合罪なので、15年以下)、懲役3年を求刑しているということは、「執行猶予で良いんじゃないですか」と言っているのと同じことです。
被告人が真面目に執行猶予期間を過ごせば消える訳だし、刑期が長い方が抑止効果が高いということなのか、執行猶予付きの判決の場合、求刑通りの刑期を言い渡す裁判官が殆どですが、初犯で3年というのは、ちょっと長すぎるようにも思います。
本当かどうかは、本人と神のみぞ知るところですが、4年前からという使用歴が、初犯として格別長いという訳でもありません。
覚せい剤取締法に詳しい弁護士ではないので、良く分かりませんが、合成麻薬の所持量約26.7グラムというのが、影響したのでしょうかね。
これだけマスコミに取り上げられているのですから、社会的な影響が大きいことはその通りですが、「意外と軽いと思われては困る」というのが理由だとすれば、見せしめみたいなものですので、そうだとは思いたくはないですが。
まあ、検察側は、当然、控訴しませんし、ASKA側も、「反省の色がない」と叩かれるのが嫌なので、控訴しないでしょうから、このまま確定するのでしょうし、検察官も、裁判官も、そこまで考えての求刑、判決なのでしょうね。
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