以下は、西日本新聞経済電子版(2014年08月18日)からの引用です。
「借金をした人が貸金業者に払いすぎた利息を取り戻す「過払い金返還請求」をめぐり、過払い金が返還されたにもかかわらず、弁護士や司法書士が依頼者に渡しておらず、着服が疑われるケースが2012年以降、九州など全国で少なくとも45件(計約1700万円分)あったことが、大手消費者金融会社の調査で分かった。
中には、依頼を受けていない人の過払い金を勝手に請求したケースもあった。
同社は「過払い金の仕組みを利用した悪質な行為」として、依頼者の同意が得られた8件について法務局などに懲戒請求した。
同社に対しては毎年、過去に借金をした約7万人から過払い金の返還請求がある。
同社はこのうち、代理人の司法書士や弁護士に返還を終えたケースについて依頼者約2500人を抽出し、過払い金を受け取ったかどうかの聞き取り調査を実施。
その結果、弁護士14人に依頼した27人と、司法書士15人に依頼した18人が「返還されたとは知らなかった。金は受け取っていない」と回答した。
このうち、弁護士1人、司法書士4人の依頼者については「弁護士や司法書士とは会ったこともない」と回答しており、依頼すら受けずに勝手に過払い金を請求した疑いがあるという。
同社は「廃業した貸金業者などから流出した名簿を利用し、無断で過払い金を請求しているのではないか」と話している。
同社によると、過払い金返還の交渉をする際、業者側は依頼者本人と接触することがほとんどないため、「司法書士や弁護士は不正をしないと信頼するしかない」という。
請求件数は膨大なため、全てを調査することも不可能だという。
日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会は、過払い金を受け取った際には速やかに依頼者に報告するよう規則などで義務付けている。
過払い金返還請求
利息制限法の上限(年利15〜20%)を上回る利息で借金をした人が、払いすぎた利息(過払い金)を貸金業者に返還させること。
貸金業者は従来、同法の上限を超える「グレーゾーン金利」で融資するケースが多かったが、最高裁が2006年、グレーゾーンを無効と判断したため返還請求が急増。
日本貸金業協会によると、全国の業者が返還した過払い金は毎年数千億円で、ピーク時の08年度には約1兆円に上った。 」
貸金業法21条1項9号は、貸金業者等が、「債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。」を禁じています。
しかし、「過払い金を受け取ったかどうかの聞き取り調査」は、「債務を弁済することを要求すること」ではないので、構わないというスタンスなのでしょうね。
家族に内緒で借金していて、家族に内緒で過払金請求したのに、家族にばれてしまって、私生活の平穏を害する可能性はあるとは思いますが。
それはさて置き、依頼者約2500人のうち45人という数字は、個人的には、思ったより少なく感じます。
過払いバブルになる前は、過払いの仕組みが世の中に知れ渡っていなかったので、取引期間からして、大幅な過払になっているのに、「借金をチャラにすれば良いのですね」と言って、過払金は全部報酬として貰っていた弁護士がいたとか。
まあ、過払金請求自体、今のように簡単ではありませんでしたが。
勿論、私ではありません↓
http://morikoshi-law.com/kabarai.html
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