以下は、中日新聞(2014年8月6日)からの引用です。
「静岡地裁が3月に再審開始決定を出した袴田巌(いわお)さん(78)の即時抗告審で、検察側が「存在しない」と裁判所や弁護団に説明してきた5点の衣類のカラー写真のネガが存在していたことが5日、分かった。
証拠開示を求めてきた弁護団は「検察の証拠隠しだ」と批判している。
東京高裁で開かれた高裁、東京高検との三者協議後に弁護団が明らかにした。
事件は、1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で発生。
みそ製造会社の専務一家4人が殺害された。
強盗殺人などの疑いで逮捕された袴田さんは80年に死刑が確定した。
犯行時の着衣とされた5点の衣類は事件の1年2カ月後、現場のみそ工場タンク内で見つかった。
静岡地裁の再審開始決定は、長い間みそに漬けられていたはずの衣類のカラー写真の色合いが不自然であるとし、「捜査機関に捏造(ねつぞう)された疑いがある」と指摘した。
今回存在が判明したネガとカラー写真との衣類の色合いの違いが、高裁の判断を左右する可能性が出てきた。
第2次再審請求審で、静岡地検が5点の衣類のカラー写真を初めて開示した。
弁護団は、衣類をさまざまなみそに漬け込んで色の変化を調べた独自の実験結果と比較。
「(カラー写真に写っている)5点の衣類のみその染まり方は極端に薄い。1年2カ月も漬かっていたとは考えられない」とし、捜査機関自らがタンクに入れたと主張した。
弁護団によると、静岡地検は、第2次再審請求審の三者協議が続いていた2010年と11年、写真のネガの開示を求めた弁護団に「ネガはない」と回答していた。
しかし、5日の三者協議では一転して高検検事が「地検検事が事実に反する答えをしたことを率直に謝罪する」と述べ、ネガの存在を認めたという。
ネガは111枚で、検察側は再審開始決定後一部のネガを鑑定し、時間の経過によりカラー写真の色合いが変わったと主張しているという。
弁護団は残りのネガの中に、袴田さんの無罪を証明する証拠があるとみて開示を求めた。
検察幹部は取材に「再審開始決定後、警察が倉庫を整理していて偶然、ネガを見つけた。故意に隠したのではない」としている。」
2度にわたり開示を求られた時には、探しても見つからなかったのに、今回の再審開始決定後に、たまたま見つかるとは、何という偶然でしょうか。
昔は、証拠物件管理簿のようなものは、なかったのでしょうか。
果たして、111枚で全てなのでしょうか。
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