2014年08月12日

危険ドラッグ、事故なくても逮捕へ 警視庁、道交法積極適用を通知


以下は、MSN産経ニュース(2014.8.5)からの引用です。

「危険ドラッグ(脱法ドラッグ)の吸引者による交通事故が相次いでいることを受け、警視庁は5日、危険ドラッグの使用が疑われる運転が発覚した場合、道交法違反(過労運転等の禁止)容疑で現行犯逮捕する運用を始め、各警察署などに通知した。

同庁によると、運転手の意識が混濁するなど異常な状態▽正常でない運転をしたことが明白▽車内に危険ドラッグや吸引具がある−などの条件を満たせば、同法が禁じる「薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態での運転」の疑いがあるとみなすという。

これまでは人身・物損事故を起こした場合でも、薬物と事故との因果関係を立証するために鑑定結果を待ってから判断していたが、今後は事故だけでなく、検問などで事前に危険ドラッグの使用が疑われれば、同法違反容疑を適用する。

同庁は「危険ドラッグによる事故の芽をあらかじめ摘むことで、事故防止につなげたい」としている。

愛知県警では7月下旬から、物損事故を起こした運転者に危険ドラッグの使用が疑われる場合、同法違反容疑で現行犯逮捕する運用を始めている。」




愛知県警の取り組みは↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/402809270.html

道路交通法66条は、「何人も…過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。」と定めています。

そして、刑事訴訟法213条は、「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。」と定めています。

同法217条は、「30万円(刑法 、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、2万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪の現行犯については、犯人の住居若しくは氏名が明らかでない場合又は犯人が逃亡するおそれがある場合に限り、第213条から前条までの規定を適用する。」と定めていますが、道路交通法66条違反の法定刑は、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です(同法117条の2の2第7号)。

ですので、事故を起こさなくても、端的に、現行犯逮捕することは可能です。

現行犯逮捕においても、被疑者が逃亡するおそれまたは証拠を隠滅するおそれがあるという「逮捕の必要性」の要件を満たすことが必要でしょうが、鑑定結果が出るのに1〜4カ月かかるということですので、逮捕の必要性も認められるのではないかと思います。

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posted by 森越 壮史郎 at 13:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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