2014年08月04日

競馬で7千万円損…でも追徴 会社員、課税取り消し訴え


以下は、朝日新聞デジタル(2014年7月31日)からの引用です。

「東京都内の会社員が競馬で3年間に約7千万円の赤字を出したにもかかわらず、東京国税局から約1200万円の個人所得の申告漏れを指摘されたことがわかった。

払戻金を受けた際の当たり馬券の購入費しか経費と認められず、利益が出ていると判断されたため。

約550万円を追徴課税された会社員は、処分の取り消しを求める訴えを東京地裁に起こしている。

日本中央競馬会(JRA)が2002年にインターネットの馬券購入システムを導入して払戻金の口座記録が残るようになり、04年には高額配当が売り物の「3連単」(1〜3着を着順通りに当てる)が始まった。

ネット購入で高額配当を得た馬券購入者に対する課税が明らかになったのは4件目で、赤字なのに課税されたのは会社員が初めて。

会社員は証券会社に勤務する30代男性。

年に1500回以上、ネットで馬券を購入。

08〜10年に約2億5千万円分の馬券を買い、約1億8千万円の払戻金を受けた。

1100万円を得た週末もあったが、3年とも年間収支は赤字で、計約7千万円のマイナスだった。

会社員は確定申告で「競馬は赤字で所得はない」としたが、国税局は週ごとに競馬のもうけを推計。

その際、払戻金を税法上の「一時所得」と分類し、経費に認められるのは「収入を得るのに直接必要とした」当たり馬券の購入費だけとみて、3年間の所得を計約1200万円と認定した。

裁判で会社員は「競馬の所得は、はずれ馬券の購入費も経費に認められる『雑所得』にあたる」と主張。

これに対し、国は「営利目的の継続的行為から生じたとはいえず、『一時所得』にあたる」と反論。

赤字に対する課税は「勝った時に納税資金を準備せず、納税時期に資金不足になったにすぎない」としている。

会社員は取材に「赤字への課税は、所得税法の解釈を誤っている。負けても税金を取られるなら競馬は楽しめず、ネットで馬券を大量購入した際の課税のあり方を改めないと競馬ファンが離れてしまう」と話す。

はずれ馬券が経費にあたるかどうかをめぐっては、3年間で約1億4千万円の利益を得た大阪市の元会社員が、約5億7千万円を脱税したとして起訴された。

大阪地裁ははずれ馬券を経費と認めて脱税額を大幅に減額。

大阪高裁も支持し、検察が上告している。

元会社員は課税取り消しも求めて提訴しており、北海道の公務員と横浜市の男性も類似の裁判を起こしている。」




大阪の事件については↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/304699509.html
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/319920407.html
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/364025986.html

国税不服審判所のホームページで、「競馬 一時所得」でキーワード検索すると、類似の事例につき、一時所得であるとして棄却した裁決例が幾つも出てきます。
http://www.kfs.go.jp/cgi-bin/sysrch/prj/web/pub/editCriteriaByKeyword

最高裁判所が、統一的な判断を出すまでは、決着はつかないでしょうね。

しかし、それでも、一時所得と雑所得の限界は、やはり微妙なままだと思います。

しかも、ごく一部の大量購入者だけが課税され、他の圧倒的多数の購入者は課税されないというのも、不公平な話ですし、税収面でも、大きなマイナスなのではないでしょうか。

携帯電話税などの訳のわからない新税制を考える位なら、競馬の払戻金全てに対して、一時所得を前提する従前の税率とは異なる、適当な税率の源泉分離課税を課すべきではないでしょうか。

そうなると、ますますノミ屋に流れるから、駄目なんですかね。

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posted by 森越 壮史郎 at 12:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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