以下は、毎日新聞(2014年03月25日)からの引用です。
「慶応大病院(東京都新宿区)は25日、同病院で実施された第三者からの提供精子による人工授精(AID)で生まれ、提供者に関する情報開示を求めていた横浜市の医師、加藤英明さん(40)に「情報開示はできない」と回答した。
同日、同病院のAIDの責任者、吉村泰典教授(産婦人科)が都内で加藤さんと対談して伝えた。
吉村教授は「調査を尽くしているが、当時のカルテなどは見付からず、ご両親がAIDを受けた事実すら確認できない。ご両親の同意書も捜しているが、見付かっても提供者の特定は難しい。特定できたとしても、匿名が条件なので情報は開示できない。今月中に文書で回答したい」と説明した。
加藤さんは、医大生だった2002年12月、血液検査の実習で偶然、父親と血のつながりがないことを知った。
加藤さんは「遺伝上の父を知りたい」と、今月7日に吉村教授へ情報開示を求める文書を送り、25日が回答期限だった。
加藤さんは「子どもの福祉を確保するためにも、子どもの出自を知る権利を明文化すべきだ」と無念さをにじませた。
出自を知る権利を巡っては、厚生労働省の部会が03年に情報開示の制度化を求める報告書をまとめた。
一方、自民党のプロジェクトチームが現在、生殖補助医療の法制化を議論しているが、出自を知る権利に関する結論は先送りにする方針を示している。
◇非配偶者間人工授精(AID)
第三者の男性から提供された精子を使って人工授精する不妊治療。
国内では1949年に慶応大病院で初めて実施された。
無精子症や精子が少ないなどの男性不妊の治療として普及し、これまでに1万5000人以上が生まれたとされる。
日本産科婦人科学会によると、2011年のAIDによる妊娠は165件、92人の赤ちゃんが生まれた(43件は妊娠後の経過不明)。」
この続報ですね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/391238526.html
別の報道によると、慶応大病院の場合、カルテの保存期間は20年なのだそうです。
厚生労働省の部会が、10年以上前に情報開示の制度化を求める報告書をまとめているというのに、既に1万5000人以上が生まれており、今後も年間100人程度が生まれ続けるというのに、結論は先送りというのは、どういうことなのでしょうかね。
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