以下は、47NEWS(2014年2月17日)からの引用です。
「全国の弁護士有志でつくる「明日の自由を守る若手弁護士の会」は14日のバレンタインデーに合わせ、安倍晋三首相に憲法学の権威、故 芦部信喜 (あしべ・のぶよし) 東大名誉教授の著書「憲法」とチョコレートを贈った。
国会で立憲主義を否定するかのような答弁を繰り返しているとして「憲法の基本を理解して」との思いを込めた。
個人の権利や自由を保障するために、憲法で国家権力を制限するというのが立憲主義だ。
安倍首相は今月3日の衆院予算委員会で「憲法が国家権力を縛るというのは、王権が絶対権力を持っていた時代の考え方だ。今は国の形、理想を語るものだ」と答弁した。
12日には、憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認をめぐって「最高責任者は私だ。政府の答弁に対しても私が責任を持って、その上で、選挙で審判を受ける。審判を受けるのは内閣法制局長官ではない」と述べた。
現行の政府の憲法解釈が、内閣法制局を中心に積み上げられてきたことを意識した発言だ。
「民主主義国家が共有する立憲主義を過去の遺物であるかのようにみる発言にショックを受けた」と同会の黒沢(くろさわ)いつき共同代表(33)。
「選挙に勝てば自分の手で憲法の読み方をどう変えようと構わないというのも、手続きに対する理解が不十分。首相として当然持っているべき知識があるのか」と疑問を呈す。
黒沢さんらは、大学で多くの学生が憲法の教科書として使う芦部氏の著書を選んだ。
安倍首相は昨年3月の国会質疑で「芦部信喜さんという憲法学者、ご存じですか」と問われ「存じ上げておりません」と答えた。
同封した手紙では「憲法の本質を十分に理解されていないのなら、法の支配の原理を基本的な価値とする他国と連携を深めることなどできない」と指摘。
「基本知識が万全でなければ国政を信託できかねます」と進言した。
バレンタインデーにちなんだ熱い思いは伝わるだろうか。」
私が司法試験の受験生だった頃は、とある有名大学のとある教授が憲法の司法試験委員だったので、その教授の著書を基本書とするのがスタンダードでしたが、とても同じ日本人が日本語で書いたとは思えない難解な文章で、何度読んでも全然頭に入ってこないため、憲法に対する苦手意識が強かったです。
そんな時、芦部信喜先生が放送大学のテキストとして書いた「国家と法T」に触れ、「目から鱗が剥がれるとはこのことか!」と思いました。
勿論、この本1冊で全てが足りる訳ではありませんが、おかげ様で、司法試験に合格することができました。
今は絶版となっていますが、お弟子さんの補訂により、「憲法」という著書になっているのですね↓
http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0227810/top.html
私にとって、目から鱗の本は、他にも何冊かありますが、我妻榮先生の「民法案内T司法の道しるべ」も、「国家と法T」と同じ位の価値がありました。
こちらも、一時、絶版となっていましたが、再販されましたね↓
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b107589.html
司法試験を目指す方には、いつもお勧めしています。
このブログの筆者のホームページはこちら