以下は、毎日新聞(2014年02月13日)からの引用です。
「◇無効確認と施行差し止めを求めて静岡地裁に
昨年成立した特定秘密保護法は憲法の基本原理を否定しており違憲だとして、静岡市葵区の藤森克美弁護士が13日、国を相手取り同法の無効確認と施行差し止めを求めて静岡地裁に提訴した。
政府が今年12月上旬に施行する方針の同法を巡る訴訟は全国で初という。
訴状などによると、国家機密の漏えいに厳罰を科す同法は、軍事を中心とする国家機密の保護強化で、知る権利が阻害されると主張。
基本的人権の尊重・国民主権・平和主義の憲法の三原則を破壊し「極めて明白に違憲無効性が認められる」としている。
また、同法違反に問われる刑事裁判では、何が特定秘密か法廷で公開されず、有罪になる可能性があり、被告の人権や弁護権が侵害されるなどと訴えている。
藤森弁護士は記者会見で「国会議員の定数配分を巡っても各地で違憲判決が勝ち取れた。秘密保護法を廃止にするためにも、今回の提訴を呼び水に全国で違憲訴訟が続くことを期待している」と話した。」
特段、弁護団を組んで、という訳ではないようですね。
我が国においては、裁判所は具体的争訟の解決に付随してのみ違憲審査をすることができるという付随的違憲審査制が採られているというのが通説であり、いわゆる警察予備隊違憲訴訟に関する昭和27年10月8日の最高裁大法廷判決も、「わが現行の制度の下においては、特定の者の具体的な法律関係につき紛争の存する場合においてのみ裁判所にその判断を求めることができるのであり、裁判所がかような具体的事件を離れて抽象的に法律命令等の合憲牲を判断する権限を有するとの見解には、憲法上及び法令上何等の根拠も存しない。」として、訴えを不適法として却下しています。
過去に行われた国政選挙で、有権者の選挙権の平等が具体的に侵害されたことを主張する違憲訴訟とは、状況が全く異なります。
上記最高裁判決の当否はともかくとして、大法廷判決ですから、それをひっくり返すだけの勝算はあるのですかね。
まあ、不適法却下であれば、実体的な判断はなされず、お墨付きを与える訳ではないので、特段、実害はありませんが。
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