以下は、朝日新聞デジタル(2014年1月15日)からの引用です。
「国際テロに関する警視庁や警察庁の内部資料とみられる情報が2010年、インターネット上に流出した問題で、個人情報をさらされたイスラム教徒17人が、国と、警視庁を所管する東京都に計約1億8700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は15日、約9千万円の支払いを都に命じた。
始関正光(しせきまさみつ)裁判長は、流出した文書は警察が作成し、保管していたと認定。
「警視庁の情報管理体制が不十分だったため流出し、イスラム教徒らの名誉を傷つけた」と結論づけた。
情報流出が起きたのは10年10月。
イスラム過激派によるテロ捜査や情報収集を担当する警視庁公安部外事3課などの内部資料とされる文書ファイル計114点が、ファイル交換ソフト「ウィニー」を通じて、ネット上に流出した。
イスラム教徒の顔写真や勤務先のほか、家族構成や経歴や交友関係などの詳細な情報が含まれていた。
原告は、アルジェリア人、モロッコ人、イラン人などの外国人13人と日本人4人の計17人で、いずれもイスラム教徒。
「国際テロの容疑者であるかのような疑いをかけられたうえ、情報流出によって生命・身体に対する安全が脅かされた」などと訴えていた。
この問題では、警視庁が偽計業務妨害容疑で捜査。
だが容疑者を特定できないまま、公訴時効(3年)が昨年10月に成立した。」
約9000万円とだけ聞くと、結構な金額のように思いますが、17人で約9,000万円ですから、1人あたりの賠償額は500万円余りです。
別にイスラム教徒の肩を持つ訳ではありませんが、顔写真や勤務先のほか、家族構成や経歴や交友関係などの詳細な情報が流出し、国際テロの容疑者であるかのような疑いをかけられたことへの代償としては、むしろ安すぎるのではないでしょうか。
ネット上に流出したんですから、どんどん拡散して行く一方で、完全に消し去ることなど恐らく不可能ですよね。
我が身に同じ災いが降りかかったとしたら、ちょっとした外車1台分でお終いでは、とても納得できないと思いますが、判決を書いた裁判官は、それで納得できるということなのでしょうかね。
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