2014年01月18日

<川崎逃走>逃げた容疑者は勾留前 逃走罪の対象にならず


以下は、毎日新聞(2014年01月09日)からの引用です。

「横浜地検川崎支部(川崎市川崎区)で7日に弁護士と接見中の同市多摩区宿河原、無職、杉本裕太容疑者(20)=集団強姦(ごうかん)容疑などで逮捕=が逃走した事件で、神奈川県警は9日、逃走現場から南西に約20キロ離れた横浜市泉区和泉町の和泉川河川敷で杉本容疑者を発見し、改めて同容疑などで逮捕した。

逃走後に改めて逮捕された杉本容疑者の容疑は、6日に神奈川県警が逮捕した時の容疑と同じ。

横浜地検が改めて逮捕状を取り、県警捜査員が発見現場で執行する形を取った。

勾留中の容疑者・被告か刑務所にいる受刑者が逃走した場合は逃走罪に問われる。

しかし、杉本容疑者が地検川崎支部から逃げ出したのは裁判所が勾留決定する前で、逃走罪は適用されない。

地検が逮捕状を取ったため、杉本容疑者は地検川崎支部に移され取り調べを受けた。

杉本容疑者は県警本部で勾留され、今後は県警が調べを進める。

一方、杉本容疑者をかくまったり逃走を手助けしたりした者がいた場合は犯人蔵匿・隠避罪に当たる。

それを杉本容疑者が指示していれば同容疑者も教唆に問われる。」




まるで昔の司法試験の短答式の試験問題みたいですね。

逃走罪の成立する「未決の囚人」とは、「勾留状の執行のため拘禁せられた者をいう」ということなので、逮捕されただけの段階では、逃走罪にはなりません。

一方、犯人蔵匿・隠避罪が成立するのは、「罪を犯したる者または拘禁中逃走したる者」なので、逮捕どころか、逮捕されていない犯人すらも含みます。

期待可能性とかその罪単独での処罰の必要性とかを考えると、別段、不均衡という訳でもないんでしょうね。

この犯人は2度も逃走したそうなので、逃走罪とならないことを知っていたのかも知れませんが、当然のことながら、強姦罪などの裁判において、「反省の色がない」ということで、より重く処罰されることになると思いますし、警察のメンツに掛けて、再逮捕されることは必至ですので、余りお勧めできることではありません。

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posted by 森越 壮史郎 at 19:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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