2013年11月30日

2審もアレフの名誉毀損認める 長官銃撃事件「オウム」名指しの捜査結果公表


以下は、MSN産経ニュース(2013.11.27)からの引用です。

「警察庁長官銃撃事件の時効成立に伴い、警視庁が「オウム真理教信者による組織的テロ」とする内容の捜査結果を公表したことで名誉を傷付けられたとして、教団主流派「アレフ」が東京都などに5千万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が27日、東京高裁であった。

加藤新太郎裁判長は「時効が完成したのに犯人を断定するような説明をすることは許されない」として、1審東京地裁に続き名誉毀損(きそん)を認定。

都側に100万円の賠償を命じた。

都知事名での謝罪文交付命令は取り消した。

都側は、アレフとオウムは別団体で、アレフの名誉を傷つけていないなどと主張したが、加藤裁判長は1審と同様、「当時、実質的に同一の団体と認識されていた」と判断した。

加藤裁判長は、前例のない事件で広く報道され、捜査が長期間に及んだことなどから、社会の関心を呼んだ事件の捜査経緯を説明する必要性はあったと指摘。

一方、無罪推定の原則に照らし「裁判で有罪とされる前に犯人と断定することは相当ではない」とした。

ただ、1審判決が新聞報道されたことで、アレフ側の社会的評価が一定程度回復したとみられることなどから、謝罪文交付の必要性はないと判断した。

警視庁は平成7年の国松孝次警察庁長官(当時)銃撃事件の時効成立を受けた22年3月の会見で「オウムの信者グループが組織的・計画的に敢行したテロ」とする捜査結果を公表した。」




この事件の続報ですね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/313903654.html
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/316823482.html

別に、アレフの肩を持つ訳ではありませんが、金銭賠償を原則としている我が国の損害賠償制度の中で、唯一、名誉毀損に関してだけは、謝罪文その他の「名誉を回復するのに適当な処分」(民法723条)を認めているのに、「1審判決が新聞報道されたことで、アレフ側の社会的評価が一定程度回復したとみられる」という理由で、謝罪文は不要というのは、いかがなものでしょうか。

誰もが、新聞報道を読むとは限りませんし、仮に読んだとしても、「警視庁がそこまで言い切った以上は、残念ながら、起訴して有罪判決を得られるだけの証拠は集まらなかったけれども、警察庁長官銃撃事件は、オウム真理教信者による組織的テロだったのだろう」「今回の一連の裁判で、公表内容が真実かどうかについて主張をしていないのも、色々な理由があって、捜査の内容を明らかにできないからなのだろう」と思う人が、圧倒的多数なのではないでしょうか。

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posted by 森越 壮史郎 at 15:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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