以下は、時事ドットコム(2013/11/20)からの引用です。
「1票の格差が最大2.43倍だった2012年12月の衆院選は違憲として、二つの弁護士グループが選挙無効を求めた計16件の訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は20日、「投票価値の平等に反する状態にあったが、合理的期間内に是正がされなかったとは言えない」として、選挙は違憲状態だったとの判断を示した。
選挙無効の訴えは退けた。
裁判官14人中、11人の多数意見で、3人は「違憲だが選挙無効とはしない」とする反対意見を述べた。
高裁判決は、戦後初の選挙無効2件を含め14件が違憲としており、最高裁の判断が注目されていた。
11年の最高裁判決が違憲状態とした区割りのまま行われた12年選挙を再び違憲状態とした今回の判決は、国会に格差解消を厳しく迫る結果とは言えず、今後の取り組みに影響を及ぼす可能性もある。」
続いて、以下は、朝日新聞デジタル(2013年11月22日)からの引用です。
(天声人語)最高裁は人が良すぎる
白馬は馬にあらず、という中国の言葉がある。
詭弁(きべん)の右代表とされる。
かつて売上税の導入が争点になり、これは大型間接税ではないと自民党が言いはったとき、口先のごまかしとなじるのに引用された。
ごまかすつもりでなくても、ものの言い方は難しい。
福島原発が爆発した映像をみんなが見ているのに、当時の官邸からの第一報は「なんらかの爆発的事象があった」だった。
東電から情報が入らないとはいえ、不誠実な感じは免れなかった。
誠実に説明しようとしているのだが、どうも釈然としないという例もある。
自衛隊が憲法違反かどうかがまだ大きな争点だったころ、社会党は「違憲だが合法」という論法を編み出した。
ただの違憲論ではもう時代に合わないという転換だった。
国会が決めた法律によって自衛隊が現にある。
そのことは間違いないから認めようという考えだ。
あとで「違憲だが法的存在」と言いかえたが、いずれにせよ苦しい理屈であり、わかりにくい。
「違憲状態だが違憲とはいえない」。
おとといの最高裁の判決である。
これもわかりにくい。
一票の格差が法の下の平等に反していれば、違憲状態。
それに加えて、ある期間内に国会が格差を正さなければ、違憲。
こういう2段階で考えているから、なにやら詭弁めいた言い方になる。
最高裁は、いわばがんばる時間を国会に再び与えた。
国会は口先ではがんばるというが、これまでの行状を思うと暗然とする。
憲法の番人は人が良すぎるのではないか。」
早速、裁判所のホームページに掲載されています↓
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83744&hanreiKbn=02
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83745&hanreiKbn=02
安倍首相や菅官房長官は、「厳粛に受け止める」と話しているそうですが、高裁の判断からすると、随分と後退したと言わざるを得ませんね。
違憲状態=違憲ではないし、違憲=無効でもないというのは、何のことやらわからないかも知れませんが、こういうことです↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/297937959.html
こういう小手先だけの対応を最高裁が事実上認めてしまうと、未来永劫、違憲状態の国会により国政が行われるということになってしまうのではないでしょうか。
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