以下は、Sponichi Annex(2013年10月11日)からの引用です。
「俳優の反町隆史(39)と松嶋菜々子(39)夫妻がマンションで飼っていた大型犬ドーベルマンが住人にかみついたために、住人が退去したとして、不動産管理会社が夫妻に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は10日、賠償命令額を一審判決の385万円から大幅に増やし、1725万円の支払いを命じた。
高世三郎裁判長は「小動物以外の飼育を禁じているマンションの規定を破り、住人の安全を守る注意義務に違反した」と指摘。
退去後に次の入居者が決まるまでの17カ月間のうち9カ月分の賃料と弁護士費用について賠償する責任があると認めた。
反町の所属事務所は「裁判のことはすべて本人に任せておりますので、具体的なコメントは差し控えさせていただきます」としている。
反町と住人との間では示談が成立している。」
民法718条は、「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。」と定めていますので、相当の注意をもって管理をしていたことを立証できない限り、飼い主は、損害賠償責任を負います。
きちんと首輪と鎖で固定しておいたのに、相手が勝手に手を出してかまれたというようなケースでもない限り(私は犬好きなので、子供の頃は何度もかまれました)、「相当の注意をもって管理をしていた」と認められることはありません。
ペットに特化した保険というのもありますし、他の保険の特約もありますので、保険料が安いかどうかだけで判断せず、万が一の時に、キチンと使えるかどうかを、良く確認する必要があると思います。
一方、ペットが事故に遭った場合はどうでしょうか。
私が司法試験の受験生だった頃は、ペット=動産なので、ペットを死亡させた場合でも、その財産的な価値が賠償されるだけで、慰謝料は認められないということだったと思います。
しかし、近年は、ペットを家族同然に可愛がる方も多く、このような傾向を反映して、飼い主の慰謝料請求も認められるようになっています↓
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=5556&hanreiKbn=04
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=6286&hanreiKbn=04
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ