2013年10月01日

取り調べ映像、NHKが再度放送 弁護士懲戒請求の要因


以下は、朝日新聞デジタル(2013年09月24日)からの引用です。

「取り調べの映像を収めたDVDをNHKに提供した弁護士が大阪地検に懲戒請求された問題で、NHKは24日、放送を延期していた取り調べの録音・録画(可視化)をテーマとする報道番組「クローズアップ現代」を全国放送した。

この映像が決め手の一つとなって無罪判決が出て確定したが、地検側は「刑事訴訟法が禁じた証拠品の目的外使用だ」として懲戒請求していた。

4月の近畿圏での放映に続き、問題の映像を再放映したNHKに地検がどう対応するかが注目される。

放送を受け、DVDを提供した佐田元(さだもと)真己弁護士は朝日新聞の取材に「『知る権利』にプラスになると思い、DVDを提供した。広く取り調べの実態を知ってほしい、という趣旨を踏まえたもので、再度放送するのは当然だ」と評価した。

放映をめぐって問題となったのは、2010年9月、けんかの末、弟(当時38)を死なせたとして傷害致死罪に問われた兄(42)の裁判員裁判で公開された映像。

兄が「結果的にそう(首を絞める形に)なってしまった」と供述する場面が収められており、判決は「兄が意図せずに首を絞める形になったとしても不自然ではない」と無罪の根拠とした。

24日放送の冒頭、国谷(くにや)裕子キャスターが「(映像の)取り扱いをめぐっては議論もあります」と発言。

今回の番組内では直接触れなかったが、4月に近畿圏で放送後、大阪地検が懲戒請求した事態を踏まえたとみられる。

また、前回同様、兄や取り調べ検察官らの顔をぼかす画像処理をして放映した。

番組は、大阪地検特捜部の証拠改ざん事件を受け、検察改革の一環として本格化した可視化のあり方を取り上げた。

佐田元弁護士が提供した映像について、映像を根拠に無罪となった事例として、前回とほぼ同様、約1分20秒間放送。

佐田元弁護士も、顔と名前を明らかにしたうえでインタビューに答えた。

〈NHK広報局のコメント〉

可視化をめぐる議論が重要なテーマと考え、放送しました。

取り調べの様子を録音・録画した映像は法廷で公開されたもので、無罪が確定した男性の了解を得た上で、プライバシーに配慮して使用しました。 」




ようやく全国放送しましたね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/365290508.html
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/366189307.html

刑事訴訟法281条の3〜5は、刑事事件の証拠の目的外使用を禁止しているのですが↑、どういう訳か、禁止されているのは、被告人や弁護人だけなんですよね。

「警察・検察24時間」とか銘打って、捜査や逮捕の様子の映像をバンバン放映しているのに、なぜ、被告人や弁護人が映像を提供することだけが、問題視されなければならないのでしょうか。

秘密保全法↓にも通じるものがありますが、充分に議論する必要があると思います。
http://www.nichibenren.or.jp/activity/human/secret.html

札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ
posted by 森越 壮史郎 at 12:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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